敗血症 血圧上昇。 理学療法・作業療法|血圧について② 脈圧と平均血圧について

敗血症について

敗血症 血圧上昇

アスクドクターズ監修医師 この記事の目安時間は6分です 目次• 敗血症とは?定義は? 敗血症 はいけつしょう とは、「感染症による全身性の炎症性反応」と定義されます。 身体に何らかの感染症が存在する場合、細菌は感染症がある部分だけにとどまるのが普通ですが、 敗血症では感染症が身体の一部にとどまらず、血液中に細菌が入り込んだり、感染症由来の物質 「サイトカイン」 が影響することで、全身に炎症性の反応が起こって、身体の状態が悪くなってしまうのです。 「全身の炎症性」の反応とは典型的には発熱、菌などと戦う血液成分である白血球数の上昇、心拍数や呼吸数の増加などを指します。 敗血症を発症しやすい人は、糖尿病、悪性腫瘍、肝硬変、腎不全、ステロイドや免疫抑制剤を使用している方です。 また、高齢者も一般的に敗血症を発症しやすい傾向があるとして注目されています。 敗血症と菌血症の違い 敗血症と似た言葉に「菌血症 きんけつしょう 」があります。 菌血症とは正確には病名ではなく、血液の中に細菌が存在する状態そのものを指す言葉です。 抜歯の後などに血液を調べると血液中から細菌が発見されることがありますが、これは抜歯によって血液中に少量の細菌が入り込み、一時的に菌血症の状態になっていると考えられます。 一時的に細菌が血液中に入り込むことは日常生活の中でも、気が付かないうちに、しばしば起こっているのですが、通常は身体に何の影響も与えることなく、身体からすみやかに細菌が排除されるため心配はいらないと考えられます。 菌血症があるからすぐに危険というわけではありませんが、敗血症では、しばしば菌血症がみられることも確かで、区別が重要になります。 「敗血症」「重症敗血症」「敗血症性ショック」はどう違う? 何らかの原因によって血液中に細菌が入り込むと血液の流れに乗って身体中に細菌が広がることがあります。 また、重い感染症があると炎症の反応としてサイトカインという炎症を起こす物質が放出されます。 細菌やサイトカインが身体全体にひろがって炎症を起こし、全身の状態が悪くなることを敗血症と呼んでいます。 対して、 「重症敗血症」とは、敗血症の中で。 特に腎臓や肝臓などの臓器の血流や機能が悪くなったり、低血圧を示す症例を指します。 臓器の血流や機能の低下の指標としては、血液検査の異常や尿量の減少、意識障害などが挙げられます。 また、 「敗血症性ショック」とは、重症敗血症の症状の中で、特に低血圧が著しく、十分に点滴を行っても、血圧が正常範囲を維持できない場合を指しています。 医学用語で「ショック」とは、生命の維持に関わるような血圧低下を指すのですが、敗血症でショックになることを「敗血症性ショック」と呼んでいるわけです。 敗血症は、炎症の反応によって、全身の毛細血管が拡張して、体内に存在する血液が身体全体にひろく分散してしまうため、相対的に重要な臓器に届く、血液の量が少なくなって、血圧が低下したり、臓器障害が起こる状態です。 「敗血症性ショック」の初期では、末梢血管の拡張を示す状態として、手足など身体の末梢が暖かくなり、血圧が低下する「worm shock ウォームショック 」と呼ばれる特徴的な状態になります。 しかし、ウォームショックの状態が続くと、心臓に戻る血液が少ないために、心臓が十分に血液を送り出すことができなくなり、心機能が低下して危険な状態になります。 敗血症で多臓器不全が起きる? また、敗血症では、全身に炎症反応が起こった結果、血圧が低下して身体の重要な臓器に十分な血液が送られなくなったり、後に述べる「播種性血管内凝固症候群 はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん:DIC 」という合併症のために、 全身の臓器の機能に異常をきたす「多臓器不全 たぞうきふぜん 」という状態におちいる可能性があります。 多臓器不全が起こると、全身の臓器の機能が悪化するため、生命を維持することができず、死に至る可能性が非常に高くなります。 また生存したとしても、臓器の機能障害や意識状態の悪化など、後遺症を残す可能性が非常に高くなるため注意が必要です。 敗血症とDICの関係 敗血症では、「播種性血管内凝固症候群 はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん:DIC 」という状態を合併する場合があることが知られています。 DICは敗血症以外にも様々な原因により起こる可能性がありますが、 DICは簡単に言うと血液を固めたり、固まった血液を溶かしたりする身体の機能に異常が起こっている状態を指します。 怪我をして血が出た時を想像してみてください。 傷口から血が出ると、最初はサラサラした液体だった血液は次第に固まり、傷口の血が止まります。 これは血管に傷がつくと、血液を固める物質が放出されて、血液が固まるという身体の機能があるためですが、体内でも同様の現象が起こります。 敗血症では「サイトカイン」と呼ばれる炎症性の物質が身体全体に影響を及ぼすことが知られていますが、サイトカインの影響で、体内の血管の細胞 血管内皮細胞 に傷がつくと、血液を固めるシステムが作動し、血管の中で血の塊 血栓:けっせん が作られてしまいます。 正常な状態では、体内に生じた血栓は役割を果たした後、「線溶系 せんようけい 」と呼ばれるシステムが働いて溶かされてなくなってしまいますが、 DICでは、血液を固めたり、溶かしたりするシステムの両方に異常が生じてしまうため、身体中あちらこちらで勝手に血栓ができたり、逆に線溶系が異常をきたして、身体中で血が止まらなくなり、出血しやすくなるのです。 敗血症では、全身の炎症反応の結果、どちらかというと血液を固める機能に異常が起こりやすくなることが知られています。 身体の中でごく小さな血栓が勝手にできるため、体内の臓器のあちこちで細い血管がつまってしまいます。 血管がつまると、臓器の機能を維持するのに必要な酸素や栄養が届かなくなるため、臓器の機能が障害され「多臓器不全」の状態となるのです。 多臓器不全は、死亡や後遺症のリスクが高いのは前述の通りです。 SIRSとは?敗血症とどう関係? 敗血症は、全身に、細菌による感染症の影響が及び、「全身性炎症反応症候群 ぜんしんせいえんしょうはんのうしょうこうぐん : Systemic Inflammatory Response Syndrome:SIRS」を起こした状態を指します。 SIRSとはアメリカで提唱された概念で、もともとは感染症に限らず外傷や手術、やけどなど何らかの原因によって人間の身体が強いダメージを受けた場合に起こる全身性の炎症反応を指す言葉です。 つまり敗血症は「感染症によってSIRSを起こしている状態」と定義されるのです。 「全身性の炎症反応」といっても分かりにくいのですが、SIRSは実際には以下のように定義されています。 SIRSの診断基準と重要性 何らかの原因による全身性炎症反応で、以下の項目のうち2つ以上に当てはまる場合にSIRSと診断します。 感染症の中でも体温が低下するのは非常に症状が重いことを示しているため、「熱がないから」という理由で感染症が軽症であると判断することは非常に危険と言えます。 ・心拍数: 感染症では心拍数が増加します。 心拍数の上昇は、発熱でみられるほか、炎症の程度が強い場合や呼吸不全、血圧の低下などを示している可能性があります。 ・呼吸: 感染症では呼吸数が増加します。 呼吸数が「1分に20回超」とは、かなりハァハァと息が荒くなった状態です。 発熱があったり体内に広く炎症の反応が起こると、普段よりも多くの酸素が必要になるため呼吸数が増加すると考えられます。 またSIRSの診断基準の中にある 「PaCO2 : <32Torr」とは、動脈の血をとって検査し、血液中の二酸化炭素の量を測定したときの値です。 呼吸数が増加し息が荒くなると、呼気とともに二酸化炭素が身体から放出されるため、血液中の二酸化炭素の量が低下します。 PaCO2の正常値は「35-45Torr」程度であり、「PaCO2 : <32Torr」はかなり低い数字です。 ・白血球数:白血球は、血液中に存在する細胞で、細菌やウイルスと戦う働きをもっています。 感染症では一般的には白血球の数が増加しますが、あまりにも重症の感染症の場合は逆に白血球が減少するケースがあることが知られています。 また、SIRSの診断基準にある「未熟顆粒球10%超」とは、白血球の種類を血液検査で調べた場合の値です。 実は白血球には、幾つかの種類があり、それぞれに異なる機能を持っています。 白血球の一種である「顆粒球 かりゅうきゅう 」は、特に細菌と戦う機能が強く、細菌による感染症で最も数が増えるという特徴があります。 白血球の数が増える際、骨髄の中で白血球のもとになる細胞が分裂して、白血球の赤ちゃんが生まれます。 白血球の赤ちゃんは、骨髄から血液中に出ると、次第に細菌と戦うのに必要な機能を獲得しながら成長するのです。 SIRSの診断基準にある 「未熟顆粒球」とは、成長途中の若い顆粒球が増えており、顆粒球が盛んに増加している状態を示しています。 細菌と戦う主戦力である顆粒球が増えているということは、逆に言うと身体に細菌感染による炎症が起こっていることを示しているためSIRSの指標として重要とされています。 最後はSIRSの重要性についてです。 我が国の救急外来に来た患者さんに関する統計の中では、SIRSがない患者さんに比べてSIRSがある患者さんの死亡率は約10倍であったという報告もあります。 SIRSは上記の4項目で診断ができるため、非常に簡便である上、患者さんの死亡率と深い関係があるということが分かっており重要とされているのです。 【敗血症関連の他の記事】• 敗血症について菌血症との違いや重症度などをご紹介しました。 体調の急激な悪化に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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敗血症

敗血症 血圧上昇

アスクドクターズ監修医師 この記事の目安時間は6分です 目次• 敗血症とは?定義は? 敗血症 はいけつしょう とは、「感染症による全身性の炎症性反応」と定義されます。 身体に何らかの感染症が存在する場合、細菌は感染症がある部分だけにとどまるのが普通ですが、 敗血症では感染症が身体の一部にとどまらず、血液中に細菌が入り込んだり、感染症由来の物質 「サイトカイン」 が影響することで、全身に炎症性の反応が起こって、身体の状態が悪くなってしまうのです。 「全身の炎症性」の反応とは典型的には発熱、菌などと戦う血液成分である白血球数の上昇、心拍数や呼吸数の増加などを指します。 敗血症を発症しやすい人は、糖尿病、悪性腫瘍、肝硬変、腎不全、ステロイドや免疫抑制剤を使用している方です。 また、高齢者も一般的に敗血症を発症しやすい傾向があるとして注目されています。 敗血症と菌血症の違い 敗血症と似た言葉に「菌血症 きんけつしょう 」があります。 菌血症とは正確には病名ではなく、血液の中に細菌が存在する状態そのものを指す言葉です。 抜歯の後などに血液を調べると血液中から細菌が発見されることがありますが、これは抜歯によって血液中に少量の細菌が入り込み、一時的に菌血症の状態になっていると考えられます。 一時的に細菌が血液中に入り込むことは日常生活の中でも、気が付かないうちに、しばしば起こっているのですが、通常は身体に何の影響も与えることなく、身体からすみやかに細菌が排除されるため心配はいらないと考えられます。 菌血症があるからすぐに危険というわけではありませんが、敗血症では、しばしば菌血症がみられることも確かで、区別が重要になります。 「敗血症」「重症敗血症」「敗血症性ショック」はどう違う? 何らかの原因によって血液中に細菌が入り込むと血液の流れに乗って身体中に細菌が広がることがあります。 また、重い感染症があると炎症の反応としてサイトカインという炎症を起こす物質が放出されます。 細菌やサイトカインが身体全体にひろがって炎症を起こし、全身の状態が悪くなることを敗血症と呼んでいます。 対して、 「重症敗血症」とは、敗血症の中で。 特に腎臓や肝臓などの臓器の血流や機能が悪くなったり、低血圧を示す症例を指します。 臓器の血流や機能の低下の指標としては、血液検査の異常や尿量の減少、意識障害などが挙げられます。 また、 「敗血症性ショック」とは、重症敗血症の症状の中で、特に低血圧が著しく、十分に点滴を行っても、血圧が正常範囲を維持できない場合を指しています。 医学用語で「ショック」とは、生命の維持に関わるような血圧低下を指すのですが、敗血症でショックになることを「敗血症性ショック」と呼んでいるわけです。 敗血症は、炎症の反応によって、全身の毛細血管が拡張して、体内に存在する血液が身体全体にひろく分散してしまうため、相対的に重要な臓器に届く、血液の量が少なくなって、血圧が低下したり、臓器障害が起こる状態です。 「敗血症性ショック」の初期では、末梢血管の拡張を示す状態として、手足など身体の末梢が暖かくなり、血圧が低下する「worm shock ウォームショック 」と呼ばれる特徴的な状態になります。 しかし、ウォームショックの状態が続くと、心臓に戻る血液が少ないために、心臓が十分に血液を送り出すことができなくなり、心機能が低下して危険な状態になります。 敗血症で多臓器不全が起きる? また、敗血症では、全身に炎症反応が起こった結果、血圧が低下して身体の重要な臓器に十分な血液が送られなくなったり、後に述べる「播種性血管内凝固症候群 はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん:DIC 」という合併症のために、 全身の臓器の機能に異常をきたす「多臓器不全 たぞうきふぜん 」という状態におちいる可能性があります。 多臓器不全が起こると、全身の臓器の機能が悪化するため、生命を維持することができず、死に至る可能性が非常に高くなります。 また生存したとしても、臓器の機能障害や意識状態の悪化など、後遺症を残す可能性が非常に高くなるため注意が必要です。 敗血症とDICの関係 敗血症では、「播種性血管内凝固症候群 はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん:DIC 」という状態を合併する場合があることが知られています。 DICは敗血症以外にも様々な原因により起こる可能性がありますが、 DICは簡単に言うと血液を固めたり、固まった血液を溶かしたりする身体の機能に異常が起こっている状態を指します。 怪我をして血が出た時を想像してみてください。 傷口から血が出ると、最初はサラサラした液体だった血液は次第に固まり、傷口の血が止まります。 これは血管に傷がつくと、血液を固める物質が放出されて、血液が固まるという身体の機能があるためですが、体内でも同様の現象が起こります。 敗血症では「サイトカイン」と呼ばれる炎症性の物質が身体全体に影響を及ぼすことが知られていますが、サイトカインの影響で、体内の血管の細胞 血管内皮細胞 に傷がつくと、血液を固めるシステムが作動し、血管の中で血の塊 血栓:けっせん が作られてしまいます。 正常な状態では、体内に生じた血栓は役割を果たした後、「線溶系 せんようけい 」と呼ばれるシステムが働いて溶かされてなくなってしまいますが、 DICでは、血液を固めたり、溶かしたりするシステムの両方に異常が生じてしまうため、身体中あちらこちらで勝手に血栓ができたり、逆に線溶系が異常をきたして、身体中で血が止まらなくなり、出血しやすくなるのです。 敗血症では、全身の炎症反応の結果、どちらかというと血液を固める機能に異常が起こりやすくなることが知られています。 身体の中でごく小さな血栓が勝手にできるため、体内の臓器のあちこちで細い血管がつまってしまいます。 血管がつまると、臓器の機能を維持するのに必要な酸素や栄養が届かなくなるため、臓器の機能が障害され「多臓器不全」の状態となるのです。 多臓器不全は、死亡や後遺症のリスクが高いのは前述の通りです。 SIRSとは?敗血症とどう関係? 敗血症は、全身に、細菌による感染症の影響が及び、「全身性炎症反応症候群 ぜんしんせいえんしょうはんのうしょうこうぐん : Systemic Inflammatory Response Syndrome:SIRS」を起こした状態を指します。 SIRSとはアメリカで提唱された概念で、もともとは感染症に限らず外傷や手術、やけどなど何らかの原因によって人間の身体が強いダメージを受けた場合に起こる全身性の炎症反応を指す言葉です。 つまり敗血症は「感染症によってSIRSを起こしている状態」と定義されるのです。 「全身性の炎症反応」といっても分かりにくいのですが、SIRSは実際には以下のように定義されています。 SIRSの診断基準と重要性 何らかの原因による全身性炎症反応で、以下の項目のうち2つ以上に当てはまる場合にSIRSと診断します。 感染症の中でも体温が低下するのは非常に症状が重いことを示しているため、「熱がないから」という理由で感染症が軽症であると判断することは非常に危険と言えます。 ・心拍数: 感染症では心拍数が増加します。 心拍数の上昇は、発熱でみられるほか、炎症の程度が強い場合や呼吸不全、血圧の低下などを示している可能性があります。 ・呼吸: 感染症では呼吸数が増加します。 呼吸数が「1分に20回超」とは、かなりハァハァと息が荒くなった状態です。 発熱があったり体内に広く炎症の反応が起こると、普段よりも多くの酸素が必要になるため呼吸数が増加すると考えられます。 またSIRSの診断基準の中にある 「PaCO2 : <32Torr」とは、動脈の血をとって検査し、血液中の二酸化炭素の量を測定したときの値です。 呼吸数が増加し息が荒くなると、呼気とともに二酸化炭素が身体から放出されるため、血液中の二酸化炭素の量が低下します。 PaCO2の正常値は「35-45Torr」程度であり、「PaCO2 : <32Torr」はかなり低い数字です。 ・白血球数:白血球は、血液中に存在する細胞で、細菌やウイルスと戦う働きをもっています。 感染症では一般的には白血球の数が増加しますが、あまりにも重症の感染症の場合は逆に白血球が減少するケースがあることが知られています。 また、SIRSの診断基準にある「未熟顆粒球10%超」とは、白血球の種類を血液検査で調べた場合の値です。 実は白血球には、幾つかの種類があり、それぞれに異なる機能を持っています。 白血球の一種である「顆粒球 かりゅうきゅう 」は、特に細菌と戦う機能が強く、細菌による感染症で最も数が増えるという特徴があります。 白血球の数が増える際、骨髄の中で白血球のもとになる細胞が分裂して、白血球の赤ちゃんが生まれます。 白血球の赤ちゃんは、骨髄から血液中に出ると、次第に細菌と戦うのに必要な機能を獲得しながら成長するのです。 SIRSの診断基準にある 「未熟顆粒球」とは、成長途中の若い顆粒球が増えており、顆粒球が盛んに増加している状態を示しています。 細菌と戦う主戦力である顆粒球が増えているということは、逆に言うと身体に細菌感染による炎症が起こっていることを示しているためSIRSの指標として重要とされています。 最後はSIRSの重要性についてです。 我が国の救急外来に来た患者さんに関する統計の中では、SIRSがない患者さんに比べてSIRSがある患者さんの死亡率は約10倍であったという報告もあります。 SIRSは上記の4項目で診断ができるため、非常に簡便である上、患者さんの死亡率と深い関係があるということが分かっており重要とされているのです。 【敗血症関連の他の記事】• 敗血症について菌血症との違いや重症度などをご紹介しました。 体調の急激な悪化に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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敗血症性ショック(Septic shock)とは?敗血症との違いは?

敗血症 血圧上昇

着目ポイント!• 敗血症とは感染が原因で全身症状が生じること• 菌血症とは異なる 敗血症は 「全身症状を伴う感染症、あるいはその疑い」と定義されています。 つまり、敗血症の原因は 感染症です。 多くの場合は細菌ですが、、、寄生虫などでも敗血症は生じます。 これらの病原微生物による感染症が重篤化すると、敗血症に進展することになります。 そのため、最近西アフリカで話題になったエボラウイルス病も敗血症ということになります。 ただし、重症化に関しては個々の患者での免疫能や遺伝的要因、あるいは、が有効にはたらいているかなど、さまざまな因子がかかわっています。 なお、よく勘違いされますが、敗血症は菌血症とは異なります。 「菌血症だけど敗血症ではない」あるいは「敗血症だけど菌血症でない」、なんてことはめずらしくありません()。 図1敗血症と菌血症 敗血症の診断基準 着目ポイント!• 「全身的指標」「炎症反応の指標」「循環動態の指標」「臓器障害の指標」「臓器灌流の指標」が元になる• 少なくとも、 C反応性蛋白(C-reactiveprotein、CRP)が高いだけで敗血症と考えるのはやめたほうがよいです。 例えば、CRP値が20を超えるような場合でも、敗血症でないことや、あるいはCRPが正常値でもすでに敗血症になっているという患者はよく経験されます。 おおまかにこういう変化が起きてくるのだというイメージでの認識でいいと思われます。 敗血症の要因 着目ポイント!• 「感染症による病原体からの因子(毒素)」と「SIRSによる炎症性物質()」が敗血症を引き起こす 敗血症には、以下の2つが関係しています()。 図2感染症・全身性炎症反応症候群・敗血症の関係 抗菌薬の投与は病原体側の増悪因子の減少につながりますが、過剰になった生体側の増悪因子まで同様に減少させるわけではなく、敗血症治療が難渋する要因です。 以下にそれぞれの因子について解説します。 感染症による病原体側の増悪因子 通常、感染症にかかると、生体の免疫によって病原体は排除されていき、自然軽快します。 その際、発熱などが生じますが、これも免疫反応の一種で、生体が恒常性を維持していると言えます。 細菌量が生体の免疫による許容量を超えてくると、抗菌薬を使って治療することが必要となります。 SIRSによる炎症性物質 SIRSは、 全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome)の略称であり、 生体内でサイトカインが過剰になっている状況を指します。 細菌に感染すると生体側も細菌を排除するため、サイトカインなどを放出します。 サイトカインは細胞間の情報伝達の役割を担っていますが、生体において炎症を引き起こします。 SIRSには、 体温、心拍数、呼吸数(または動脈血中二酸化炭素分圧)、白血球数で規定される、に示すような診断基準があり、敗血症の早期に見られやすい簡便な指標として用いられてきました。 この基準を見てもわかる通り、感染症以外の疾患でもSIRS基準を満たし得るわけですが、この SIRSが感染症によって起こっている場合に敗血症と考えることになります。 このSIRS基準は軽症患者まで拾い上げてしまうこともあり、現在は敗血症国際ガイドライン(『SSCG2012』)からは消えています。 しかし、SIRSという概念そのものの重要性は変わりません。 表2SIRSの診断基準 (より引用、一部改変) 敗血症で特に注意したい病態 着目ポイント!• 「重症敗血症」と「敗血症性ショック」に注意• 重症化すると、ARDSやAKIにつながる 重症敗血症:臓器障害につながる 敗血症のうち、臓器障害の進展の原因となる灌流障害を伴ったものは 重症敗血症(severe sepsis)と呼ばれ、ガイドラインにおいてのような指標が示されています。 表3重症敗血症の基準 (より引用) 感染症になると、 炎症反応と 凝固反応が起こってきます。 この2つは悪いものと捉えられがちですが、通常は病原体からの防御反応として機能しており、必要なものです。 これらは互いに増幅しあうことも知られており(「クロストーク」や「相互連関」と呼ばれます)、敗血症の病態においてはこの2つが過剰な状態になり、各臓器や末梢組織において(はしゅせい)血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation、DIC)による 微小血栓閉塞や 酸素利用障害・代謝障害を引き起こします。 こうなると、を利用できない細胞が死滅してしまい、 臓器障害が生じます。 敗血症性ショック:臓器障害の進展のサイン 重症敗血症の病態のなかでショックを呈したものが敗血症性ショックです。 これは、以下の2段階に分けられます。 重症敗血症の過程で、一酸化窒素などの血管拡張性物質が作用したり、下垂体後葉からのバソプレシン()分泌が低下したりするなどして、末梢の血管が拡張します。 この結果、血液分布が末梢血管にシフトすることになり、が低下しているのにの温度は温かくなります。 warm shockからcold shockに進展した場合、それだけ血管内皮細胞が障害され、 臓器障害がさらに進展しつつあることを認識する必要があります。 敗血症が重篤化すると、ARDSやAKIにつながる 前述の通り、敗血症の重篤化は各種臓器障害につながります。 とりわけ重篤なのは、状態が悪化する 急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome、ARDS)や急性腎障害(acutekidneyinjury、AKI)であり、や腎代替療法が必要となってきます。 また、このような重篤化は敗血症改善後も後遺症(身体、認知、精神の長期機能予後の悪化)を残しやすくなります。 近年の集中治療領域の新たなトピックとなっており、ICU退室後もリハビリテーションをはじめとするケアが必要であるとする根拠となっています。 コラム:敗血症の改善後の後遺症にも注目 敗血症に関連したトピックスとして、現在、「PICS」という概念に注目が集まっています。 これは、敗血症が重篤化すると患者や家族に身体的・精神的な後遺症が現れることを取り扱うもので、起こりうる影響として以下が示されています。 早期からのリハビリテーションなどが重要とされます。

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