お姫様 に なっ て しまっ た 件 について。 転生先は、悲運のサブキャラプリンセス!? 韓国の人気作がついに発売!『ある日、お姫様になってしまった件について』第①巻・第②巻 7月5日 2冊同時発売!|株式会社KADOKAWAのプレスリリース

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ある日、お姫様になってしまった件について25話ネタバレ 「私とダンスの練習しよ!」 「ヤダ」 ルーカスはリンゴを齧りながら、即答します。 「やっぱりデビュタントの時パパと踊ることになりそうなの」 (今は興味ないフリしてるけど) 「だけど身長が合わないでしょ?ハイヒール履くだろうけど、踊ってる時に足踏んじゃったらどうしよう」 「で、俺が大人の姿に変身して練習相手になれって?」 「うん!あの時お兄ちゃんとパパの身長同じくらいじゃなかった?違っても同じくらいに変身できるでしょ?」 「なんで俺が…」 「世界一最強の能力者で、宇宙最高の美少年天才魔法使いのルーカス様!ダメかな?ね?」 「……俺は忙しいからこれで練習しな」 「うわっ!!何よこれ!」 アタナシアの前に現れたのは、人間サイズの紙人形です。 「いっつもゴロゴロしてるくせに何が忙しいのよ!」 「俺は毎日息するのに忙しいんだ」 「どうせ作るなら、目口鼻くらい描いてよ」 大人しく紙人形と練習するアタナシアを、ルーカスはソファーに横ばいになって見つめます。 「うわっ!」 不意に足をとられて、床に倒れこむアタナシア。 「床掃除してんの?面白いか?」 「何これ!ペラペラじゃん!関節もないし!倒れても掴んでくれないし!ぐにゃぐにゃしてるし変だよ!それにのっぺらぼうみたい!」 「めっちゃディスってんな。 こいつ傷つくよ」 「えっ、ただの人形じゃないの?言葉わかるの?」 「わかるわけないだろ」 からかうルーカスにイラッとするアタナシア。 「本当の人間みたいな人形は作れないの?」 「俺にできないことがあると思うか?」 「じゃあ作ってよ。 できたらカッコイイ人形さんね」 「ヤダね」 「なんで嫌なの?」 「さあな。 なんでかわかんねーけど、気分悪いからヤダよ」 「いっそフィリックスに練習相手になってもらった方がマシね」 「お前意外と鬼だよな。 あの騎士を袋叩きにして殺す気か?」 「はぁ疲れた。 そういえばイゼキエルが帰ってきたみたいだよ」 「イゼキエル・アルフィアス?」 (アルランタの学術院を首席で早期卒業してきたそうだ。 すごいなぁ) 「6年経ったけど、どう成長したか気になるな」 (だけど私だって今まで遊んでばかりだったわけじゃないし) 「お前もあのシロの息子に興味あるのか?」 「もちろん!この6年間、事あるごとに思い出してどれだけ辛かったことか!」 (私の黒歴史!あの日以来、私がこの数年間一生懸命勉強した量を考えたら…) 「そんなに気になるなら、直接見て来いよ。 早く言えばよかったのに。 俺にとってはそんな難しいことじゃないからさ」 どことなく含みのある表情でルーカスは言うと、すぐに場面が切り替わりました。 大空の下にさらされたアタナシア。 「ヒマしてたからちょうどよかったよ。 そんじゃ楽しんで来いよ」 アタナシアは状況を理解して、途端に青ざめます。 (この…) 「このサイテーヤロォォォー!!」 急降下するアタナシアでしたが、落下の直前に抱き留められます。 「…大丈夫ですか?」 横抱きする形でアタナシアを受け止めたのは、成長したイゼキエルでした。 「お会いするたびに僕を驚かせてくれますね。 会いたかったですよ、天使様」 イケメンに育ったイゼキエルに、思わず固まるアタナシア。 (イゼキエル?あの時の可愛さはどこへ!?) 25話はここで終了です。

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ある日、お姫様になってしまった件について 3(最新刊)

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それほど期待して読み始めたわけでは全くなく綺麗な漫画だな~で1巻目2巻目と読み終えてこんなに続きが気になるようになるとは思ってもいなかった。 前巻のレビューでサイコパス皇帝と表現した皇帝もだいぶ人間味が出てきて面白くなってきました。 イゼキエルの登場にルーカス、ジェニットと主要登場人物が出揃い多少の人物の増減はあるにしてもいよいよアーティが今後どうなるのかといったところでしょうか。 チョット逆ハーレムっぽい雰囲気も出てきてますが・・・。 この作品とそっくりな設定の他のもう一つを漫画サイトでタダ読みしてますが話しの展開はこちらの方が早くかつ同じフルカラーであっても本作の絵柄の華やかさは一段上で特にこの3巻の目玉は皇帝の正装姿で間違いないと思います。 (サイコパス皇帝クロードに見惚れました、アーティもきれいだけどね) 余分な疑問・・・クロードが皇帝になったばかりのころ自堕落な生活をしてて愛妾侍らせてたわけで、その人たちに子供ができていてもおかしくないのではないだろうかルビー宮惨殺事件の時アーティだけ残したということなんだろうか? 私は、1巻のサンプルだけ読んだだけではあまり好きになれず、しばらく空いてからレビューも高評価なのもありきまぐれで購入してみました。 今ではすごく気に入ってしまいました!! 物語には細かく設定がされていて、伏線いっぱいでまだまだ物語は続きそうですね… 父親のくせに若すぎ格好よすぎる!! 親子のツンデレがたまらない! イゼキエルもルーカスも、城のみんなも姫への愛が可愛いですね。 実際に本当に姫が可愛すぎるし… 死亡フラグであるジェニットも可愛い… 3巻はついにデビュタント!の直前で終わっていますが、ここも姫とクロードが美しすぎる!! 女子の衣装はロリータファッションですかね…こんなに好きになるなんて! 絶対同じ服は着ないですもんね。 本巻続きであるデビュタントでのやりとりもさりげなくコメディ入ってて、美しいだけでなく面白いですよ。 早く本で読みたいです。

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【超豪華限定版】韓国語 まんが 『ある日お姫様になってしまった3』(紙人形本+ステッカー4種+メガネふき+はがき+ボックス)プルートス /スプーン :comic56

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今日こそ殺そう。 今日こそ、あの小さくて柔らかな生き物を殺そう。 あれは憎しみの塊でしかないのだから。 「パパ、おはよう!」 「……」 クロードが庭園に向かってぼんやりと歩いていると、満面の笑顔で明るく挨拶してきたのはクロードと同じ宝石眼をもった小さな少女だった。 波打つシルバーブロンドの髪を頭の上で青い花と共に結い上げ、白を基調としたドレスにはフリルがふんだんにあしらわれていて、首元には花と同じ色の青いリボンを揺らしていた。 少女はクロードの一人娘である。 名をアタナシア。 不滅を意味するその名は、皇帝であるクロードでさえ持てなかったもの。 まだ赤ん坊だった頃のアタナシアをルビー宮で放置したのも、その名の通り生き残れるのかそれともそのまま朽ち果てるのか試してみたのだが、結果は今、クロードの前に出ている。 最も、アタナシアと再会するまでは気にもとめていなかったし、忘れてさえいたのだが。 フィリックスと共に先に来ていたのか、庭園に設置されてあるテーブルと椅子の前に立っていたが、クロードの姿を視界に入れた途端にアタナシアは花が咲き綻ぶようにパァッと笑い、会えただけでも嬉しいのだと言わんばかりな無垢な表情を毎回父親に見せている。 それを無表情でぼうっと眺めるクロードの心の中には、アタナシアに対するドス黒い憎しみの炎が揺らめいていた。 少女に対する憎しみだけでなく、人間そのものに対して抱く憎しみも消えることはない。 フィリックスに対してだけはそのような憎しみなど抱いたことはないが、目の前にいるアタナシアを前にすると黒い炎はたちまち大きく揺らぐ。 クロードはただ冷たい闇の中にひっそりと生きていて、そこから抜け出すことが出来ないでいる。 心に鍵を幾重にもかけ、感情を誰にも見せない。 それは、あの日、婚約者に裏切られた時から変わらない。 ただ一度だけ心にかけていた鍵をといたことはあったが、それも結局目の前にいる少女のせいで、以前よりも強固に鍵をかけた。 殺そう。 ふと、クロードはそう思う。 呼吸をするように、自然に。 午前中のティータイム。 アタナシアを誘ったのはクロードではあるが、彼が思うだけで思い通りのことが起きる。 殺そうと思えば殺せるし、生かそうと思えば生かせる。 ティータイムに誘えば少女は必ず来るし、会話にしても彼女の方から勝手に喋ってくれる。 クロードにとっては見慣れぬ他人の柔らかな表情と共に。 それはアタナシアがクロードの髪の毛に向かって嬉しそうによく言い放つ言葉と同じだった。 キラキラ、キラキラ。 少女の笑顔はいつもキラキラしている。 キラキラと輝くような笑顔をしている。 純粋無垢な表情は見慣れないもの。 宝石のような瞳。 光の加減でキラキラと輝きを増す瞳。 皇族のみに許された青い瞳。 にこにこと笑うアタナシアは、いつも光輝いている。 殺そう。 クロードは一日の始めにそう思う。 ふとした瞬間にそう思う。 アタナシアを見る度にそう思う。 だが指はぴくりと動くが、それだけだった。 アタナシアの顔を見る度に憎しみがぞわりぞわりと腹の底から這い出てくるのに、今日こそは殺そうと思うのに、結局今日が終わる。 それなら明日にしよう。 明日こそ殺そうと思うがそれは今日の延長上に過ぎなかった。 いつもならば、殺そうと思えばいつだって殺せたのに。 どうしてだか指先がぴくりと動くだけでその先にいけない。 今日も、そうだった。 「パパ!会いたかった!」 ぼんやりと立っているクロードの前にてとてとと小走りに寄ってきて、にっこりと笑顔で見上げてくる小さな頭。 シルバーブロンドの髪がさらりと揺れて、動かなかった指先がぴくりと動く。 思わず手をあげそうになったのを咄嗟に抑え込み、指先が何を求めたのか理解した時、クロードは反射的に声を出した。 「……フィリックス」 「はい」 主人の言葉を護衛騎士は正確に捉える。 癖のある赤い髪をふわふわと揺らしながら、彼はアタナシアの小さな身体をふわりと抱き上げた。 もう見慣れた光景。 慣れた動作。 そのまま椅子の上にある少しクッション性のあるハイチェアに座らせると、クロードも彼女と向き合うように椅子に腰をかけた。 すると控えていたメイド達がお茶やケーキを慣れた動作でテーブルの上に置いていく。 クロードは頬杖をつきながら、自身の膝の上に置いている指先をぼんやりと眺める。 先ほどアタナシアの笑顔を見た時にぴくりと動いた指先である。 つい先ほど殺そうとふと思ったのに、いつものように指先が動くだけで終わってしまう。 何故だろうかと思うと、真っ先に浮かぶのはアタナシアの笑顔だ。 少女の輝くような笑顔を見てしまうと、もう駄目だった。 指先が動かない。 動きたくないとクロードに伝える。 まだ見ていたい。 まだ殺さなくていい。 まだ、まだ、まだ。 あと少し、あと少しだけ。 アタナシアの笑顔を見る度に、息が一瞬だけ詰まるのもクロードだけしか知らない。 アタナシアの笑顔を見る度に、あの小さな頭に触れたいと叫ぶ指先を抑えるのもクロードしか知らない。 「あのね、」 メイドがお茶を用意し終わったのか、向かいにいる少女が嬉しそうな笑顔で口を開き始めた。 昨日は何をした、昨日の夢はこんなだった、この間はこんな勉強をした、そんな他愛のない会話。 それに相槌を打つ時もあれば、打たない時もある。 時折フィリックスと笑顔で話したり、ケーキを美味しそうに頬張ったりとアタナシアはいつも眩しい笑顔を見せている。 クロードはアタナシアの笑顔をぼんやりと眺める。 この空間は嫌いではない。 退屈でもない。 ただ寝不足で眠いと思うが、この時間は寝ようと思ったこともない。 視線だけはいつも少女に向けている。 穴が開くのではないかというほど、クロードはいつもいつも少女の姿をひたりと映していた。 そして、少女がつたない歌声を聴かせてくれた日を思い出した。 パパおはよう! 少女が笑う。 無垢な笑顔で。 まだティータイムを午後にしていた頃。 寝不足にも関わらず、何故午前にしたのか少女も護衛騎士も、きっと知らないだろう。 しかし、その理由自体クロードにとっては戸惑うばかりだし、気に入らなかった。 でも、どうしても午後よりも、午前にしたかった。 どんなに寝不足であろうと、どんなに眠たくても、そうしたかった。 パパおはよう! 朝の挨拶など長いことしたことはないし、そんなものとうに忘れているし気にもとめたことなどなかったのに。 アタナシアに輝くばかりの笑顔と共に言われた言葉に、ただアタナシアの笑顔に、暫く震えることなどなかった内側が脈打つように震えた。 震えてしまった。 アタナシアの笑顔とアタナシアから吐き出される言葉を、ただただ感受した。 ただただ、アタナシアの笑顔を見たい。 言葉を訊きたい。 ただそれだけの、薄ぼんやりとした思いのまま、午後にしていたティータイムを午前にしてしまった。 けれどここはクロードの世界だ。 自分が思えば、思う通りに運んでくれる。 彼女を殺す、それ以外のことは。 今日こそ殺そう。 今日こそ、あの小さくて柔らかな生き物を殺そう。 あれは憎しみの塊でしかないのだから。 そう思っているのは確かなのに、顔を見れば見るほど憎しみは増すのいうのに、どうしても殺せない。 殺したいけれど、まだもう少しだけ。 殺すのはいつでも出来る。 ならば、もう少しだけ生かしておいて、こうして見つめていてもいいだろう。 けれど、やはり、殺して、いや、まだ、まだもう少し。 相反する思いが絡み合って気持ち悪い。 心の奥底では憎しみを吐いて吐いて、吐き続けているというのに。 パパ!会いたかったよぉ! 伸ばされる小さくて柔らかな手を、どうしても拒否することが出来ない。 振り払うことが出来ない。 これを受け入れてしまったら、自分がどのようになるのか判らないというのに。 もう、女など、他人など、二度と受け入れまいと思うのに。 クロードではなく、小さな命の方を選んだダイアナ。 兄を誘惑し、裏切ったフェネロペ。 二人共確かに愛していたのに、結局受け入れてもらえなかった。 奪われてしまった。 一人は兄が、一人は、アタナシアが。 裏切ったフェネロペが憎い。 フェネロペの誘いに乗り、母を殺し、自身を殺そうとした兄が憎い。 自分ではなく、子供を選んだダイアナが憎い。 自分からダイアナを奪ったアタナシアが憎い。 この中でアタナシアだけが生き残っているのだから、兄を殺したように、ルビー宮にいるメイド達を殺したようにアタナシアも殺せばいい。 心の奥底にある憎しみは消えないのだから、憎しみのまま、殺してしまえばいいのだ。 まだ子供だ。 一人では生きてはいけない矮小なものなど、殺すのだって簡単である。 あの細い首に手を回して、少し力を入れればあっけなく死ぬだろう。 そうしたらいい。 憎しみの塊だ。 ならば、殺してしまえばいいのだ。 ……それが出来るのであれば、 もう、すでにやっていること。 殺そうと思う度にアタナシアの笑顔が浮かぶ。 ダイアナの面影を見てしまう。 ただ純粋に伸ばしてくる柔らかな手に逆らえたことなど、一度もなかった。 ここはクロードの世界で、自分の思い通りになれるというのに。 アタナシアだけが当てはまらない。 パパと笑顔で懐いてくる少女の首に手を伸ばすのではなく、柔らかな身体に手を伸ばして温かなぬくもりを抱き上げてしまう。 心に幾重にもかけた鍵を、ひとつ、またひとつ、ゆっくりと開けていく。 これ以上は嫌だ。 駄目だ。 絶対に嫌だ。 受け入れてしまったら、自分がどうなるか判らない。 もしかしたらまた裏切られてしまうかもしれない。 受け入れてもらえないかもしれない。 少女に、アタナシアにそうされてしまったら、もう、本当に冷たい闇の中から出られないかもしれないのに。 そこまで考えて、クロードは奥歯を噛んだ。 なんだそれは。 まるで、俺がこの少女に受け入れてほしいと願っているみたいではないか。 いらぬ感情など不用だ。 邪魔だ。 必要ない。 ぎりり、と奥歯を噛んで、意識を自身の心からアタナシアに向ける。 自身の中にある憎しみはまだ幼い少女に悟られてはいない。 当然だ。 まだ判らないだろうし、クロード自身少女に対する憎しみは見せないようにしているからだ。 知らないアタナシアはただ純粋にクロードに懐いてくるのだから、それはそれでタチが悪いと思っている。 少女は暫くぼんやりとしていたクロードをどこか心配気に見つめていた。 アタナシアはクロードの髪の毛をキラキラしてて綺麗だと言ったが、クロードからしてみればそんなこと誰にも言われたことはなかったから、あの言葉はとても印象に残っている。 他人の髪が綺麗だと感じたことはあるが、それはもう昔の話だ。 しかし、アタナシアにそう言われたことで思ったのは、シルバーブロンドの髪が日の光に当てられてキラキラと輝くのはアタナシアの方だった。 木漏れ日を浴びながら心配気な表情でこちらを見てくる少女の髪がキラキラと輝いていて、そして、宝石眼も同じように輝いていた。 クロードの向かいに座っているアタナシアが、木漏れ日の中でキラキラと輝いている。 いつもクロードの髪をキラキラしていて綺麗だと言うように、少女の髪もまた、いつもキラキラしていて綺麗だった。 いつもキラキラしているのは、アタナシアの方だ。 漠然とそう思った瞬間、クロードは再び反射的に言葉を発した。 「……チョコレートが好きなのか?」 口から出るのは憎しみにまみれてもいない、平坦で冷静ないつもと変わらない口調だった。 問うと、アタナシアは大きな瞳を一回、二回、瞬きし、意味を理解したのかにっこり笑顔で嬉しそうに大きく頷いた。 少女はいつもチョコレートがあればそこから手をつける。 ティータイムを午前にしようと決めたあの日も、眠っていたクロードの頭にチョコレートをこぼしていた。 「うん!大好き!!」 「そうか」 目を、髪を輝かせ、チョコレートケーキを美味しそうに頬張る姿。 それはもう、見慣れた光景となっていた。 こうやって共にティータイムをするのも何回目か。 最早一人で過ごしていた時の方が懐かしく感じる。 フィリックスが微笑み、今度美味しいと評判のチョコレートを調達しましょうかと言ってきたが、好きにしろとクロードは答えた。 二人のやりとりに、より一層目を輝かせたアタナシア。 クロードの心の奥底にしまってある何かがコトリと動くのを感じた。 冷えた心臓。 幾重にもかけた鍵。 消えない憎しみ。 それら全てを塗り潰していかんばかりに、日に日にアタナシアの存在は増していく。 今日こそ、今日こそ殺そう。 殺してしまおう。 そうすればこのドス黒い憎しみも少しは和らぐはずだ。 しかし少女の顔にダイアナの面影を見て思い留まる。 アタナシアの笑顔を思い出して指先が思い留まる。 パパおはよう! パパ会いたかったよ! パパそれ美味しい? パパと同じの飲むの! ねぇ、パパ! 当たり前のようにクロードが知らない柔らかなものを恐れもせずに落としていく小さな子供。 怯えることなく触れてくる小さな掌。 少しでも力を入れればあっという間に死んでしまう儚い命。 アタナシアはクロードが今まで取りこぼしてきたものを易々と掬い上げていく。 それを鬱陶しいと思ったことは不思議とない。 憎らしく思うのに、鬱陶しいと思ったことはなかった。 彼女と過ごした時間のひとつひとつを思い出すことが出来て、それのどれもが、クロードにとっては眩しいものばかりだ。 ダイアナが命と引き換えに残していったものはクロードに憎しみを与えたし、また、別の感情まで与えようとしている。 今日は殺そう。 今日こそ殺そう。 今日こそ、明日こそ、明日、明日こそ。 アタナシアは憎しみの塊。 この子供さえいなくなれば。 いなくなって、しまったら。 ………面倒くさい そこまで考えて、クロードは思考を放棄した。 これまで何回も何回も同じことを考えているのだから、これ以上は最早無意味なことなのだ。 こんな無意味な問答をしているならば、目の前にいる少女を見つめていた方がいい。 頻繁に会えないのだから、会える内に見つめていたい。 アタナシアに視線をやると、少女はキラキラと輝いたまま満面の笑顔でこちらを指差している。 「パパ、それちょうだい!」 「……?」 少女の前に置いてあった小皿の上にあったチョコレートケーキが消えている。 それは食べ切ったようで、銀色のフォークを握ったまま必死に指をさしていた。 小さなまろい指先を辿ると、クロードの前にある手付かずのチョコレートケーキが置いてあった。 先程アタナシアが食べたものと同じものなのか、それとも違うものなのか、それはクロードには判らないことだしどうでもいいこと。 重要なのは、アタナシアがこのチョコレートケーキを食べたいと言ったことだ。 ケーキの乗った小皿を無言で手に取り、無言で渡してやると少女はいつものようににっこりと花を撒き散らしながら笑う。 「ありがとう!」 本当にチョコレートが好きらしい。 飽きないのかと疑問に思うが、今のアタナシアを見ればそれは愚問だった。 ケーキを頬に詰め込むところを飽きもせず眺め、全身でケーキが美味しいと訴えている様を見るのは嫌いではない。 フィリックスは正しい。 美味しいチョコレートを少女に与えればそれはそれは喜ぶだろう。 その様を想像して、幾重にもかけた鍵がゆっくりと鍵穴に刺さっていく。 鍵が開いていく度に、コトリコトリと音を立てて温かな何かで満たそうとしてくる。 …………明日、殺すのは、また明日でいい 焦る必要はない。 そう、自分に言い聞かせるのは、果たして何度目か。 幸せそうにチョコレートケーキを食べる姿。 幸せそうに笑う表情。 小さな口から紡ぎ出される、少女にとっては当たり前の、クロードにとっては聞き慣れない言葉の数々。 さわさわと柔らかな風が吹き、クロードは静かにアタナシアを見つめる。 パパ、おはよう! 目覚めた時に見た、あの笑顔と言葉が忘れられない。 小さな掌が自分のお腹に柔らかく触れてきた感触が忘れられない。 つたなく歌う悪夢を追い払う歌声が忘れられない。 クロードは目を閉じて、心の奥底でそっと呟く。 明日でいい。 殺すのは、明日。 今日は、もう、このまま。 ずっと、このままで、いられたら。 アタナシア。 少女の名前を心の内側でだけ呼ぶ。 そうすると殺そうというドス黒い憎しみが四散していくような気がして、クロードは一人、そっと息を吐いた。

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