ライデン フィルム。 ウルトラスーパーピクチャーズ

ウルトラスーパーピクチャーズ

ライデン フィルム

数多くの作品を制作しており、最新作は「無限の住人-IMMORTAL-」と「放課後さいころ倶楽部」。 データのバックアップ手段の1つとして、業務用途はもちろん個人用途でもメジャーになってきているNAS。 HDDを複数搭載し、RAID環境を構築することで信頼性や読み書き性能の向上を図りつつ、大容量データの保管と、ユーザー間のファイル共有を容易にできるのが特徴だ。 ただし、HDDのみで構築したNASの読み書き速度は、昨今のPCで採用されているような内蔵SSDと比較してしまうと必ずしも高速とは言えない。 できるだけ高速な読み書き性能を実現するため、SSDでNASを構築するのも手だが、大容量SSDがいまだ高価であることを考えると、HDDを選ばざるを得ないのが実情ではないだろうか。 しかしながら、NASの高速化にはもう1つ方法がある。 最近ではSSDをキャッシュとして搭載できるNASも増えてきており、SSDキャッシュを搭載することで、ストレージはHDDのままでありながらSSDの性能に近いパフォーマンスを得られるようになるのだ。 ライデンフィルムが導入したNASのキャッシュに活用されているSamsungのSSD「970 EVO」。 現在は後継モデルの「970 EVO Plus」が販売されている。 こうした方法で、速度と安定性が求められる業務の改善に成功したのが、アニメ制作会社のライデンフィルム。 QNAPのNASにSamsungのSSDを組み合わせることで、コストを抑えながら最大限の読み書き性能を発揮し、映像の緻密化とともにデータ容量が拡大の一途をたどるアニメ制作の現場を支えている。 アニメ制作会社におけるQNAP NAS+Samsung SSDのメリットはどこにあるのだろうか。 同社でシステム管理を担当している総務部の馬場智之氏に話をうかがった。 計240TBのストレージでアニメ作品の素材や動画を管理 SSDキャッシュでアクセス性能を向上 ライデンフィルムは、2012年に設立したアニメ制作会社。 親会社のスーパーウルトラピクチャーズを筆頭とするグループ企業の1つであり、同グループ内には3D CGのアニメ制作を軸に展開するサンジゲンや、ライデンフィルムと同様の2Dアニメ制作を手がけるトリガーなどがある。 そのなかでコミックや小説などの原作をもとにした作品のアニメ化を担当することが多いというライデンフィルムは、会社設立から7年余りとはいえ、すでに30作品近くを制作してきた。 「アルスラーン戦記 風塵乱舞」「レイトンミステリー探偵社 カトリーのナゾトキファイル」「新劇場版 頭文字D」「はねバド」などがよく知られているだろう。 Amazon Prime Videoで2019年10月から独占配信を開始した「無限の住人-IMMORTAL-」や、同じく10月から放送をスタートした「放課後さいころ倶楽部」も同社の制作だ。 また、完成した動画データの出力先および保管を目的に、QNAPの8ベイ対応NAS「TVS-872XT」も追加で増設。 こちらは動画のみを保管する用途のため80TBとやや少なめではあるものの、それでも十分に大容量と言えるだろう。 キャッシュにより読み書き速度の向上を狙っている。 ちなみに、業務関連のデータは外付けHDDやクライアントPC側にバックアップをとるようにし、データが二重化されるようにしているとのことなので、社内で動作しているストレージの総容量は240TBの倍まではいかないものの、それに近い容量になるとのことだった。 1クールのアニメタイトルで使用するデータ量は2~5TB 最大100人規模でアクセスしても動作する性能が必要 アニメ制作会社において、なぜ高パフォーマンスのNASが求められるのか。 また、なぜQNAPのNASやSamsungのSSDが必要になったのだろうか。 それを知るためには、まずライデンフィルムにおけるアニメの制作工程とデータの流れを知っておいた方がいいだろう。 同社の制作工程をざっくりまとめると、最初に手書きした原画 アニメ制作における原画と動画を含む をスキャンしてTARGA形式で取り込んだ後、ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT」などを使ってPC上で制作して着彩する。 そうしてできあがった画像の動きを確認するための動画や、エフェクトなどをかけた動画の出力は、動画レンダリング専用のPCで行い、最終的に出来上がったシーンごとの動画を編集して1本の作品として完成させる。 ライデンフィルムでは、動画出力の際のレンダリングは5台のPCで構築したレンダーファームを介して行っているという。 これはネットワークレンダリングと呼ばれるものだが、Adobe After Effectsのレンダリングは複数のPCで並列処理することで高速化することが可能で、業界ではレンダリング時間を短縮するために活用されているとのことだ。 ライデンフィルムの機器・ネットワーク構成概略図。 原画のスキャン以降の工程で発生する動画以外のデータはすべて120TBのNASに、動画はレンダリングPCから直接80TBのNASにそれぞれ格納される。 もちろん作成途中の画像や素材はアニメーターや制作スタッフ個人のPCにも保存しているが、素材として完成したデータは全てNASに集約する運用をとっている。 そのデータ量は1話当たり100~200GB。 1クール(およそ3カ月間、12、13話分)に換算すると2TB以上になる。 馬場氏によると、3D CGを多くのシーンで使っているような作品などでは特に容量が大きく、1クールで4~5TBくらいになったとのこと。 年間にすれば少なくとも(1クール1作品ずつ制作していたとしても)8TB以上、場合によっては20TB以上消費することになり、数年ごとにストレージの拡張を再検討し続けることが不可欠となる。 したがって、新たなNASでは可能な限り容量の大きなものを、妥当なコストで導入できることが必要だ。 馬場氏がFreeNASで独自にNAS化した40TBのファイルサーバー。 ライデンフィルムに初めて導入された本格的なNASだが、現在のメインストレージは「TS-1673U-RP」に移行しており、現在は制作以外の業務データを扱うファイルサーバーになっているという。 複数ユーザーからの同時アクセスの影響もあって、「ギガバイト単位の動画データをローカルPCにダウンロードしている最中に、データ転送速度が大幅に低下する」という「ドン詰まり」現象が発生し、制作スタッフにとって大きなボトルネックになっていたのも大きい。 タイミングによっては100人同時……とは言わないまでも、多くのスタッフが同時にNASにアクセスする可能性があるため、同時接続時の処理能力、つまりはランダムアクセス性能の高さも大切な要素となる。 ただし、100TBを超えるレベルのストレージとなると、一般的にはエンタープライズクラスの要件となり、それらの製品はコンシューマー向けに比べコストが1桁2桁上がってしまうことも珍しくない。 その点、QNAPのNASはコンシューマーとエンタープライズの中間に位置するような中小企業向けの製品を数多く揃えており、要件を満たしつつコストも抑えられる製品を選べたのがポイントだという。 QNAPは中小企業向けのモデルを数多くラインナップしており、エンタープライズクラスまでの性能は必要無いものの、速度のみ高速なモデルが必要だったり、ベイ数の多さが重要であったりと、コストを抑えつつピンポイントでニーズに応えられる製品をラインナップしている。 また、用途としてはシンプルなデータ転送のみの場合が多いため、NASのCPU負荷はさほど高くないこともわかっていた。 オーバースペックなCPU性能をもつNASを選ぶ必要がないので、その分ストレージ容量にフォーカスしやすくなる。 QNAPの最近のNAS製品では、10GbEポートを標準装備しているモデルも増えてきており、その点においてもアニメ制作とQNAPの相性は良かった。 複数ユーザーの同時接続時のランダムアクセス性能は、キャッシュにSamsungのSSDを搭載することで、HDDのみのときよりはるかにパフォーマンスを高めることができる。 さらに馬場氏がこだわったのは「レイテンシーの少なさ」だ。 「出力した動画をNASからストリーミング再生するとき、音と絵が合っているかどうかはかなり重要」であり、「遅延があると、制作した映像側に問題があるのか、ネットワークやNASの問題なのか見分けがつかない」からだ。 NASアクセス時の引っかかりがSSDキャッシュで解消、10GbE環境ならより効果は大きい QNAPのNAS+Samsung SSDの導入で、ライデンフィルムの制作現場はどのように変わったのだろうか。 馬場氏によると、以前あったような「ドン詰まり」のような現象は今までのところ一切発生しておらず、スタッフからもアクセスやデータ転送が「明らかに速くなった」という評価が得られているという。 多くのスタッフは1GbEでアクセスしているので、SSDキャッシュを搭載した分のランダムアクセス性能の向上を実感できているようだ。 そもそも同社が扱うデータは、「過去の作品のアーカイブ」と「今手がけている作品」とで大きく2つに分かれる。 前者は1カ月に数回アクセスする程度であり、HDDのようにコストパフォーマンスに優れた媒体が保存に適している。 一方、後者は当然ながら頻繁にアクセスすることになるため、キャッシュに入りやすく、SSDの本領を発揮できるシチュエーションだ。 そういう意味でも、「HDD+SSDキャッシュの組み合わせは、我々の用途に非常にマッチしている」と馬場氏は語る。 10GbE対応のスイッチ。 これ以上の速度を達成しようとする場合、現状ではNASよりもPC内蔵SATA SSDの性能が足を引っ張る状態になるので、今のところは十分な性能とのことだ。 なお、上位機種のNASはメインメモリも比較的容量の大きなものを搭載している。 この領域がキャッシュとして使われることもあるが、「搭載しているのはせいぜい8GB程度。 動画データは長尺のシーンのものだと5GBはあるので、メインメモリだけではそれらを並列で処理できない」ことになる。 多人数からのアクセスをうまく捌くには、SSDキャッシュは非常に有効な装備であり、不可欠と言えそうだ。 HDD+SSDキャッシュの環境は、クリエイターにもアニメ制作スタジオにもおすすめ すでにスタッフのPC内蔵ストレージはほとんどがHDDからSSDに移行しており、今後10GbEの範囲を各PCまでカバーすることで、さらなる業務の効率化を図れるものと馬場氏は期待している。 ゆくゆくは、現在外部アニメーターらとのデータのやりとりに使用しているFTPサーバーはメンテナンスに手間がかかるため廃止し、クラウドサービスに置き換えるなどして適材適所でシステムを使い分けていく計画だ。 個人や会社がNASを導入する際には、ストレージをHDDにするかSSDにするか、あるいはキャッシュを搭載するかどうかで悩むかもしれない。 馬場氏は、そのようにNAS導入を検討している人に向けて「クリエイターの方ならアクセスの速さと、使いやすさで決めればいい。 個人でもSSDでは容量を大きくしにくいので、HDD+SSDキャッシュの組み合わせはおすすめ」とアドバイスする。 他のアニメ制作スタジオに対しても「PC内蔵のSSDとNASのアクセス速度をほぼ遜色ないようにすることは、業務においては絶対に価値がある。 受け渡しの物理的な時間が短縮でき、業務効率化に結び付く」と断言した。

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ライデンフィルム

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ジャンル:ギャグ・お色気 放送時期:2019年7月~9月 話数:全12話 アニメーション制作:ライデンフィルム 手品が大好きだけどアガリ症で、必ず失敗してしまう先輩を中心に、奇術部のハチャメチャな日常を描く物語。 ストーリーに大きな意味はなく、 見どころを 色気に全振りした本作。 ノリと勢いだけで楽しめ、 必ずスケベなオチで回収してくれるんですね。 そんなポンコツ先輩に対し、様々なツッコミとリアクションを披露する助手くん。 時には年頃の男の子らしい反応も見せ、思わず共感してしまう部分もありました。 展開のマンネリ感は否めませんが、 回を追うごとに登場する新キャラのおかげで、なんとか持ちこたえられた感じです。 一言で表すと、 良くも悪くも異世界作品といったところ。 ストーリー自体は結構軽めのため、構えず気楽に見れる内容です。 主人公のグレンはチート設定こそないものの、本気を出せば実は凄い系。 個人的に気になったヒロインは、システィーナとルミアの2人。 猫耳が愛らしく、感情表現が豊かなため弄り甲斐のあるシスティーナ。 清楚で奥ゆかしく、強い芯を持ったルミア。 どちらも共通して、 へそ出しファッションというのがたまりませんね。 アニメ「はねバド! 」キービジュアルより画像引用 ジャンル:学園・バドミントン 放送時期:2018年7月~10月 話数:全13話 アニメーション制作:ライデンフィルム 圧倒的なセンスを持ちながらもバトミントンを避ける羽咲綾乃と、日本一を目指し努力を続ける荒垣なぎさが紡ぐ、熱さ全開の青春バドミントンストーリー。 試合シーンの作画の迫力が半端ない本作。 ココだけ見ればかなりハイレベルな仕上がり。 しかし良くも悪くも「ドロドロし過ぎじゃないのか・・・」という部分で、賛否両論分かれてしまうんですね。 というのも、終始ギスギスした人間関係で物語が進むんですよ。 さらにいえば、主人公の闇落ち感が常軌を逸しています。 その点に関しては彼女の家庭環境を鑑みるに、仕方のないことかもしれませんが。 青春の爽やかさと対比する形で描かれた一作。 私たちの人生経験としては、大いに価値がありますね。 」が見れる動画配信サービス dアニメストア、U-NEXT、Hulu、FODプレミアム、dTV ジャンル:学園・恋愛 放送時期:2017年7月~9月 話数:全12話 アニメーション制作:ライデンフィルム 満16歳になると自動的に結婚相手が決まる世界を舞台に、少年少女たちの純粋で真っ直ぐな恋愛を描く物語。 各キャラクターの 心理描写が丁寧に表現されており、感情移入はバッチリでした。 しかし伏線が丸投げされていることも多く、煮え切らない部分が多いのもまた事実。 続編を心待ちにしていますよ。 家族愛をテーマとした心温まるエピソードに定評のある本作。 1人では何もできない小さな子供が作る、ひまわりのように明るく無垢な笑顔。 ラストは感動のあまりボロボロと涙が止まりませんでしたからね。 また背景描写は非常に美しく、 舞台となった香川の風景が自然と脳裏に浮かんできます。 私は麺類が苦手ですが、再び訪れたいと思えましたよ。 アニメ「ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。 」キービジュアルより画像引用 ジャンル:ラブコメ 放送時期:2018年10月~12月 話数:全12話 アニメーション制作:ライデンフィルム 恋愛幼稚園児と評されるベルゼブブと、彼女の近侍を務めるミュリンが紡ぐ、とある気持ちに名前を付けるまでの物語。 ゆるふわに溢れた魔界の日常を描く本作。 かわいいキャラクターに癒されつつも、 変な性癖を持つ彼女たちに何度も笑いをもらいました。 特にごっちんですよ・・・ 緊張したら尿意を催す設定は止めてあげてください。 不憫ながらも可愛すぎますので・・・。 」が見れる動画配信サービス dアニメストア、U-NEXT、Hulu、FODプレミアム 4位:アルスラーン戦記 アニメ「アルスラーン戦記」キービジュアルより画像引用 ジャンル:ファンタジー・戦記 放送時期:1期・2015年4月~9月、2期・2016年7月~8月 話数:1期・全25話、2期・全8話 アニメーション制作:ライデンフィルム・サンジゲン 1期のみ共同 味方の裏切りにより、一夜にして壊滅したパルス王国の王太子・アルスラーンを中心に、ひとりの少年と志を共にした仲間たちとの成長を描くファンタジー大作。 戦乱の時代を導くひとり少年。 彼の持つ優しさは美徳か、或いは若さゆえの甘さか。 絶望的な状況をスパイスに。 豪傑揃いの仲間や個性溢れる敵国の人物に翻弄されつつも、 アルスラーンの王として成長していく姿がたまらないのです。 また剣戟をベースとした戦闘シーンも迫力があり、力強い作画にグングン引き込まれます。 藍井エイルさんの楽曲も、次話への期待を高めてくれていました。 血生臭いイメージを彷彿とする戦記作品ですが、 見事に濃厚且つ華やかな一作へと仕上げましたね。 要するに 主人公が様々なヒロインとキスしまくる、うらやまけしからん設定を持つ本作。 素材としては申し分ないものの、 「1クールにしては詰め込み過ぎたかなあ・・・」というのが正直なところ。 それでもヒロインは非常に魅力で、 特に 早見沙織さん演じる白石うららの破壊力は抜群。 さらにいえば、他の魔女たちもかなり個性的なため、みんな違ってみんなかわいいのです。 今となっては人気絶頂の声優さんが揃っていますからね。 ファンシーな世界観を彷彿とさせる魔法少女。 しかし本作の魔女少女は、そんなやさしいイメージと乖離しているんですね。 その圧倒的な力は武力として利用され、 過酷な戦いの中で心身ともに傷つき、それでも誰かのために戦い続けなければならない日々。 非常にグロテスク且つ重たい内容となっています。 躊躇なく四肢は引き裂かれ、毎度の如く画面は鮮血まみれ。 特に拷問シーンはマジで痛ましく、何度も目を背けたくなりました。 たまには本作のような スペシャルハードなアニメも良いですよ。 見事に現代風へとアレンジ出来ていましたね。 主役となるのは、良くも悪くも純情な男女2人組。 決してバレてはならない禁断の恋。 時にはいがみ合いを演じてみたり、時には周囲の目を盗んで逢瀬を重ねてみたり。 そんなピュアな恋愛に心が浄化されるんですね。 また2人の主役を支える、蓮季とシャルも非常に魅力的。 展開的には王道といえばそれまでかもしれません。 しかしドロドロしと複雑な恋愛作品が蔓延る中、本作のような プラトニックな恋愛も懐かしさを刺激しますよ。 また別のジャンルの記事でお会いしましょう。

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会社概要

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先日、京都精華大学で行われた「」そして「セルアニメ新時代研究部会」。 こういったイベントを中心にアニメ産業の活性化著しい京都ですが、そんな京都に新しく設立されたアニメスタジオがあります。 ライデンフィルム京都スタジオは、京都アニメーション出身の坂本一也さんが室長を務める東京に本社も持つスタジオで、既存のアニメ制作のスタイルを活かしながら新しい就業体系や教育システムの確立を目指さした運営をされています。 今記事ではアニメ産業の情勢が最も活発な京都においてキープレイヤーの一人であるライデンフィルム京都スタジオの坂本一也室長のインタビューを、先日情報解禁されたばかりの「 彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」の情報と併せて紹介させていただきます。 「産学官の連携」でアニメ産業を後押ししているこの京都という地域の新しいアニメスタジオの考え方とは? ライデンフィルム京都スタジオ室長:坂本一也さん ーーライデンフィルム京都スタジオとは、どのようなスタジオなのでしょうか? 坂本一也(以下、坂本):もともとウルトラスーパーピクチャーズの系列会社のサンジゲン京都スタジオと一緒にライデンフィルム京都スタジオはできました。 本格的に稼働したのは去年の1月になります。 京都に設立されたのは関西でアニメを発信していきたいという思いからですね。 コンセプトは関西からアニメの企画立案をし、元請けとしてアニメの発信拠点を作っていきたいという事が一つ。 そしてもう一つ大事なポイントが「人材の教育」という所です。 現状の東京のアニメ制作現場にはフリーランスが多く、人を育てることが難しい状況があると思います。 そこで人材を集めて教育する事が比較的し易いのではないか、ということで関西が選ばれたようです。 ーー確かにフリーでスタジオを転々する事が多い東京の制作スタイルでは、教育システムを構築するのは難しいように思います。 坂本:そうですね。 東京で働きたい人が出てくる事はそれはそれで良いことなのですが、それでもなるべく同じ場所で教育して、ずっとアニメ業界で仕事が続けていけるような組織作りをしたいと思っています。 フリーランスだと若い時はよいのですが、40代50代になった時に若い頃のように元気いっぱいで働くのが難しかったりする、という話を聞くことがあります。 また組織作りをすることで一人のクリエイターがずっと第一線で働かなくても、仕事のポジションを変えながら働いていくという考えを持つことも出来ます。 例えば人材育成をやりながら若いスタッフが働くスタジオのバックアップのようなポジションなどが考えられますね。 ーープロジェクトベースの制作は制作時の一過性の熱量はとても高いのですが、プロジェクトが終わると解散してしまうのでなかなかクリエイター間での関係性が蓄積されないということがあるんでしょうか。 坂本:そうですね。 作業中に良いノウハウが生まれたとしても、スタッフがそこで解散してしまうとその後の共有や改善も難しくなってしまう。 同じ場所で働き続けることができる組織を作ることによって、ノウハウを蓄積させて様々な問題点を改善していけるのではないかと考えております。 フリーランスが悪いというわけではないのですが、制作のマイナス面を解消する為には現場の人間が組織作りをきちんと考えるということをベースにした方が良いのではという考えに基づいています。 就業時間の健全化 坂本:京都スタジオでは仮にフリーランスの方であっても決められた出勤時間を徹底し、徹夜をしないようなスタイルを作ることを第一歩として運営をスタートしています。 現在は15,6人の作画制作陣がいるのですが、制作進行は1人で回しています。 なぜこのような体制で出来るのかというと、決まった時間に全員がスタジオにいるからです。 制作陣が一日24時間の中でバラバラの時間にスタジオにいるとなると制作進行1人では管理できません。 京都スタジオの所属アニメーターは基本的に就業時間のルールを守っていただける方という前提があります。 今後、仮にとても上手い方に入社頂いたとしてもその方が「夕方からしか入らない」という事ではお断りをすることになるかもしれません。 デジタル作画について スタジオ内の風景 ーー京都では産学官連携でデジタル作画セミナーなどのイベントが開かれていますが、デジタル作画についてはどう思われてますか? 坂本:時代の流れですよね。 現状の制作でも「仕上げ」「撮影」「背景」などのデジタルが入っているパートは沢山あります。 作画部分だけが取り残されていますね。 僕はアナログの人間ですがデジタルにも対応していかなければと思っています。 しかし同時に気を付けていかなければと思うのは「デジタル作画はあくまでツール」だという事です。 デジタル作画だからすごいものが描けるということは決して無く、良い作画にはあくまで個人の経験や基礎的な力が必要です。 その部分をしっかり分かっていないままデジタル作画をしてしまうと逆にデジタルツールに使われてしまうのではないかなと思います。 例えば足し算や引き算を暗算で出来ない人間に電卓を渡していいのか、という話だと思うんですね。 確かに正確な計算は出来ますが、「何故その数字になるのか」という事を考えなくなることはとても危険だと思います。 将来的な展望を考えると、今まで何十年も培われてきたキャラクターの動かし方などの技術や考え方を簡単に出来てしまうとなると、考えるということが少なくなり、基礎技術や知識が習得できずそこからの発展は目減りしていく一方ではないかという危惧はあります。 ーーアニメ制作にデジタルが入ってきて作業が楽になると思われていたのが、実際は出来ることの拡大が別の作業を増やしてしまうという事もありますよね。 坂本:4KのTVも出てきましたし現場の紙のサイズが追いついていないという問題も出てくるかもしれません。 デジタル作画でしたら細部もどんどん拡大して作画が出来ますが、紙だとそうはいきません。 例えばクライアントから小さい部分もしっかり描いて欲しいという事になると今までの作業の比じゃなくなることもあります。 アニメ制作現場における人材教育システムについて、京都を中心としたアニメ産業の今後 ーー例えば京都アニメーションには作画の現場に入る前から人材を教育していくプロ養成塾があり、そのシステムも一要因となって生まれる作画の一貫性や緻密さが沢山のファンを作り出す要因になっていると思うのですが。 モデルケースとしては京都アニメーションが一番優れているという気持ちは僕の中にあります。 あれほど良い環境でアニメ制作が出来るところはない。 坂本:そういうスタイルだからこそスケジュール管理やクオリティ維持ができているのだと思います。 京都アニメーションを目指すというわけではないですが、京都アニメーションで培った考え方は今の現場に活かしていきたいと思っています。 現場の人間がしっかり考えて一人一人が動くという事が大事だと思っています。 ーーこれからのアニメ産業が育っていく場所として、京都はどうでしょうか? 坂本:京都にはKCC(京都クロスメディア・クリエイティブセンター)さんや京都精華大学さんなど、今後の京都のアニメ産業がどのようになっていくかを考えられている場所がたくさんあります。 地方はこのように行政や教育と協力されているところが多いですが、コンテンツという部分において京都はマンガなどでの前例がありますので色々な事に取り組みやすい環境ではないかと思っています。 教育機関や行政と一定の距離を取りながら協力して、京都や関西からのアニメ発信を考えなければならないかなと思います。 彼女は、通っている短大の卒業を控え、就職活動に追われる毎日を送っている。 しかし、家族のことや、友達のこと、将来のこと…いろいろなことがうまくいかず、彼女は次第に傷つき、立ち止まってしまいそうになる。 それでも彼女は、背筋を伸ばし、今日も扉を開けて外の世界へと踏み出していく。 原作は、新海誠監督の自主制作時代の2000年に発表した「彼女と彼女の猫」。 新海誠監督バージョンではモノクロ作品であるのがそう思わせるのか物悲しい雰囲気を感じましたが、鮮やかな彩色が施されたこのイメージボードからはまた一味違った印象を受けますね。 ここからはインタビュー取材の際に撮影させて頂いた素材を一部紹介します。 脚本は「彼女と彼女の猫」の小説版を書かれている永川成基さん。 小説版はかなりのボリュームになる今作品ですが全4話、トータルで30分ほどの尺でどのような話に新しく生まれ変わるのでしょうか。 監督の坂本さんが「新海作品をリスペクトした上で、新海作品とはまた別の映像表現などに挑戦したい」と語られる今作品、3月の放送がとても楽しみです。

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