マクドナルド 売上。 マクドナルドとモスバーガー戦略の違い~「トマトの使い方」から見える~

マクドナルド、全店売上高が過去最高に 増税逆手に消費者呼び込む:日経ビジネス電子版

マクドナルド 売上

ハンバーガー業界の売上高ランキング まず、ハンバーガー業界の売り上げランキングを見ていきます(非上場のため、最新の決算情報が公表されていない企業に関しては、過去の売上高などを筆者が調べた)。 表1をご覧ください。 売上高1位は日本マクドナルドホールディングス(2722億円)、2位はモスフードサービス(662億円)、3位はロッテリア(252億円)、4位はファーストキッチン(91億円)、5位はフレッシュネス(54億円)です。 今回はハンバーガーチェーンの比較をするため、ケンタッキーフライドチキンやサブウェイなどのチェーンは除きました。 上位5社の売上高を比較してまず気付くのが、マクドナルドの圧倒的な強さです。 売上高は、2位のモスバーガーの4倍以上です。 次は、上位2社の経営数値を詳しく分析します。 マクドナルドの原価率は? マクドナルド(2018年12月期)とモスバーガー(2019年3月期)の直近の決算書から、両社のビジネスモデルをひもといていきます。 売上高に関しては先ほど述べた通りです。 一方、営業利益はマクドナルドが約250億円(営業利益率9. 2%)、モスバーガーが約5億円(営業利益率0. 8%)となっています。 マクドナルドの営業利益はモスバーガーの50倍です(モスバーガーに関しては、18年8月に発生した食中毒の影響が大きく響いています。 18年3月期の営業利益は約37億円です)。 (表2参照) 次に両社の原価率を見ていきます。 マクドナルドの原価率は35. 8%であるのに対して、モスバーガーの原価率は50. 両社の原価率には15ポイント近い開きがあります。 (表3参照)ここまで大きな原価率の差がある要因として考えられるのが「野菜」です。 皆さんも、モスバーガーといえば「野菜たっぷり」というイメージがあるかと思います。 そして、マクドナルドと大きく異なるのが「トマト」の使い方です。 モスバーガーのメニュー一覧を見てみると、トマトを強調したものが多くあることが分かります。 一方、あまり気付かれていないようですが、マクドナルドの現在の通常メニューでトマトを使用しているのは「グラン クラブハウス」と「グラン ガーリックペッパー」の2種類のみです。 いずれも、マクドナルドの中で特に野菜を前面に打ち出した商品であり、ある意味モスバーガーの対抗商品ともいえます。 では、なぜマクドナルドではトマトを使ったメニューが少ないのか? その理由はトマトが高いからだと推測されます。 実際に分解してみた結果は? さらに両社の商品戦略を細かく分析するため、実際にマクドナルドのガーリックペッパーとモスバーガーの「モス野菜バーガー」を購入して分解してみました。 価格はガーリックペッパーが390円、モス野菜バーガーは360円です(いずれも税込のテークアウト価格)。 商品の満腹感において重要な指標であるハンバーガーの総重量はガーリックペッパーが162グラム、モス野菜バーガーは168グラムで大差ありません。 しかし、トマトの重さに関してはガーリックペッパーが17グラムなのに対してモス野菜バーガーは32グラムと大きく違います。 さらに、トマトとレタス等を合計した野菜の総重量はガーリックペッパー30グラムなのに対して、モス野菜バーガーは52グラムと1. 7倍です。 肉のパテの重量は両社とも53~55グラムとほとんど大差ありません。 ガーリックペッパーは野菜の重量で負けている分、バンズの重量をモス野菜バーガーより10グラム程度多くしています。 このことからも、いかにモスバーガーが野菜にこだわっているのかが伝わってきます。 そのこだわりは、重量のみならず野菜の産地にも表れています。 ガーリックペッパーのトマトやレタスは日本、韓国、アメリカ、メキシコ、ニュージーランド、カナダなど世界各国から仕入れています。 一方、モス野菜バーガーのトマト、レタス、玉ねぎはすべて国産です。 (表4参照) 原価以外から見えたモスバーガーの戦略 新鮮な国産野菜を多用するモスバーガーの戦略は、原価率以外の経営指標からも読み取れます。 ここで両社の「在庫回転日数」を見ていきます。 在庫回転日数とは、在庫が何日かかって回転(在庫を販売して現金化された)したのかを分析する指標です。 それでは両社の在庫回転日数を見ていきます。 (表5参照) マクドナルドの在庫回転日数は6. 1日、つまり全店の6日分にあたる営業用の在庫を保有していることになります。 一方でモスバーガーの在庫回転日数は2. 6日です。 モスバーガーの在庫回転日数が短い点に関しては、鮮度が重視される新鮮な国産野菜などの原材料を多く使用している事にも起因しています。 一方、マクドナルドの在庫回転日数が長いのはなぜでしょうか。 食材や備品等を世界各国から大量購入することで、原価を下げる戦略に起因しているといえます。 ただ、こうした戦略は在庫の現金化が遅くなるため、キャッシュフローへの悪影響や為替変動リスクを伴います。 つまり、資本力がある企業にしかできない戦略といえるでしょう。 前号で取り上げたスターバックスコーヒーの在庫回転日数は約23日間です。 コーヒー豆という商材を扱っていることにも起因していますが、在庫回転日数はその会社のビジネスモデルを探る上で一つの指標となります。 グループ合計約1700店舗のモスバーガーに対して、全世界で3万7000店舗という圧倒的な数を誇るマクドナルドだからこそ、規模のメリットを生かした低原価率でのビジネス展開ができているといえます。 次は業界1位の圧倒的売上高を誇るマクドナルドのマーケティング戦略を分析していきます。 広告宣伝に注力 マクドナルドのマーケティング戦略の特徴として、季節限定商品の販売強化が挙げられます。 皆さんは何度も、以下のような商品を紹介するテレビCMを見たことがあるかと思います。 「グラコロバーガー」「月見バーガー」「チキンタツタ」 ここで皆さんにクイズです。 マクドナルドは年間何アイテムの季節限定商品をリリースしているでしょうか? 18年1~12月までのハンバーガー、デザート、ドリンク等の季節限定商品を集計してみると、なんと106アイテムもありました。 ちなみに、17年度は115アイテムでした。 このことから、マクドナルドが「年間100アイテム以上」の季節限定商品リリースを1つの指標としていることが予想されます。 こうした新商品を開発、リリースしていくには大きな労力を要します。 さらに、こうした季節限定商品を消費者に認知させるためには、テレビコマーシャルを含めたさまざまなPR戦略が必要となります。 ではもう1つクイズです。 こうした季節商品のPRを含め、マクドナルドが年間どの程度の広告宣伝費をかけているかご存じでしょうか? 18年12月期の決算資料で「広告宣伝費及び販売促進費」を確認すると、77億円(売り上げ対比2. 8%)となっています。 77億円というと、ハンバーガー業界で売り上げが4位のファーストキッチンの売上高にも匹敵するような金額です。 なお「広告宣伝費及び販売促進費」に関しては、18年度のみならず過去3年間を見ても、売り上げ構成比の2. 6~2. 8%を支出しており、マクドナルドが継続的に一定のPR費用をかけていることが分かります。 こうした多額のプロモーションを継続的に行っていくことで、圧倒的業界1位のシェアを獲得できているのです。 一方、モスバーガーに関してはマクドナルドのような多額のプロモーション費用は使えない代わりに「野菜たっぷり」「安心・安全」「国産野菜」という明確なブランドコンセプトを前面に打ち出すことで、一定の根強いファン層のリピート需要を獲得しているといえます。 一方で、いくらマーケティングを強めても、店舗に人材がいなければ継続的に売り上げアップは実現できません。 現在、人材獲得はどの企業においても最も重要な経営課題です。 次はマクドナルドとモスバーガーの人材不足への対応策を見ていきます。 人材不足への対応策 人材不足への対応は、飲食業に関わらず、日本のあらゆる業種においても急務の課題となっています。 マクドナルドでは特に「主婦(主夫)」の採用に力を入れています。 18年12月には3万人であった主婦(主夫)を4万人に増やすため、採用強化を行っています。 「クルー(アルバイト)体験会」「LINE応募」「Twitter質問箱」といったように、応募の心理的ハードルを下げ、母数(応募数)増加に対する取り組みにも力を入れています。 一方で、モスバーガーではシニアスタッフの雇用に力を入れています。 また、リファラル採用(友人紹介)を行う専用のWebシステムを活用するといったように、多くのスタッフ獲得を実現しています。 さらに、モスバーガーの新たな取り組みとしては、ベトナムの大学との連携が挙げられます。 5年間の在留資格である「特定技能」を活用して、日本の店舗で雇用・教育を行う「ベトナム・カゾク」をスタートさせています。 この取り組みの興味深い点は、5年間の就労を終えて帰国したベトナム人スタッフを、ベトナム現地でも店舗スタッフとして再雇用しようとしていることです。 そのため、現地法人との合弁会社設立に向けても動いているようです。 国内の人材不足解消と海外展開という2つの戦略を同時に進める新たな施策として、今後の展開に注目していきたいと思います。 同時に、省人化への取り組みも進められています。 モスバーガーではセミセルフレジなどの導入を進めています。 また、マクドナルドでも「モバイルオーダー」の試験的導入を進めています。 これは、お客さんが自分のスマホ等から事前にオーダーができる仕組みで、2020年には全国に順次導入していく計画となっています。 教育面においては、スタッフの早期教育に使う「動画教育ツール」を強化するといった対策を行っています。 このように、両社では人材不足に対して「応募数の最大化」「省人化」「定着率向上」「生産性向上」を計画的に推進しています。 この視点は今後あらゆる業界で必要な取り組みとなります。 売り上げアップにはマーケティング戦略がもちろん重要ですが、これだけでは飲食店の継続的な売り上げアップは実現できません。 絶えず話題となる新商品を投入して顧客を飽きさせないマーケティング戦略と、店舗力の根幹である人材力を強化していくマネジメント戦略。 この双方に対して企業として計画的にしっかりと取り組んでいるからこそ、マクドナルドは既存店売上高49カ月連続プラス、営業利益250億円を達成できているのです。

次の

マクドナルドは格安ハンバーガー店のクセにどうして利益率が高いのか

マクドナルド 売上

先週の土曜日にマクドナルドを世界に広めた事業家であるレイ・クロックの半生を描いた映画「」をみてきました。 映画は普通に素晴らしく、その中身についてはに譲りますが、昔からマクドナルドという会社に関して疑問に抱いていることがありました。 それは、 格安ハンバーガーを販売する小売業とは思えない利益率の高さです。 ここ10年の業績推移をご覧ください。 営業利益率は30%前後と、どの業種と比べても高いと言える水準です。 小売業、中でも飲食店ということになると、利益率は安定して10%もあれば十分に優良企業として褒められるレベルだと思います。 ましてやマクドナルドは世界中にチェーン展開する超巨大企業。 それなのに、どうしてこれだけ高い利益率を出すことができるのでしょうか。 ご存知の方も少なくないと思いますが、どうやらこの 秘密は「フランチャイズ・システム」にあるようです。 マクドナルドの売上は直営店、フランチャイズ店の2種類に綺麗に分類することができ、それぞれの推移は次の通り。 直営店における「食料と紙」「人件費」が大きく、それに直営店の土地代その他のコストが続いています。 フランチャイズ事業ではレストランの土地代に支払うコストがありますが、全体に占める割合は決して高くありません。 そして映画の中にもありましたが「 フランチャイズの土地代をマクドナルド本体が支払う」というこのモデルこそが同社の圧倒的な利益率を生んでいます。 2016年の直営店の売上高は153億ドルで、営業コストは全体で169億ドル。 フランチャイズが数十億ドル稼いでくれればそれだけでマクドナルド全体が黒字になるという構造になっているのです。 当然ですが、フランチャイズを開こうとする新しい店舗オーナーは、はじめは決して裕福ではないケースが多いと思います。 そこで、マクドナルド本社が土地を選定して買い上げ、それをフランチャイズ・オーナーに貸し出す。 それにより、 FCオーナーは良立地に店舗を出すことができるし、マクドナルド側は会社としての資産を拡大することができる。 双方にとってメリットがあるモデルになっています。 また、 マクドナルド側は土地への権利を持っていることで、FCオーナーの経営がまずければ解約できるし、それによってライセンス料なども有利に交渉できることでしょう。 このモデルを確立し、大規模なフランチャイズ展開に成功したことが、マクドナルドの飲食店とは思えない利益率の高さにつながっているようです。 最後に、莫大な不動産を有するというマクドナルドのバランスシートをみてみましょう。 2016年の資産合計は310億ドル。 そのうち、流動資産は48億ドルにすぎません。 現金&同等物は12億ドル、売掛金が14億ドルほど。 その他の資産を見ると、のれんが23億ドルあるほか、不動産(Property and equipment)が344億ドルもあります(うち132億ドルが償却済)。 この数字がどのくらいすごいのかよくわからないので、比較対象として日本の大手不動産会社の一つ、三井不動産のバランスシートをみてみます。 これを見ると、三井不動産は2. 9兆円の有形固定資産(うち1. 8兆円の土地)を持っているようです。 単純な比較は難しいですが、グロスで考えると三井不動産よりもマクドナルドの方が不動産を持っているということになります。 ちなみに、マクドナルドの有形固定資産の内訳はこちら。 こうして見ると、土地は54億ドルとそれほどでもないですね。 建築物に関する資産が所有地に関して137億ドル、借入地に関して115億ドルあります。 「マクドナルドの商売はなんだと思う?不動産業だよ」とレイクロックがドヤ顔で言ったという話は有名ですが、自分はてっきり「飲食店はロケーションが命やで」くらいの意味だと思っていました。 しかし、実際にはマクドナルド全体の収益性に関わるとても本質的な話だったようです。 ファウンダー、いい映画です。 追記:キャッシュフロー分析 2005年から2011年までフリーキャッシュフローは増加傾向ですが、その後横ばいになり、40億ドルちょっとの水準で落ち着いています。 この水準が永遠に維持される、と仮定して企業価値を計算してみます。 年 2018 2019 2020 2021 2022 予測FCF 42億3900万 42億3900万 42億3900万 42億3900万 42億3900万 現在価値 40億1475万6900 38億237万6260 36億123万556 34億1072万5459 32億3029万8083 有利子負債額258億7850万 有利子負債コスト0. 03 実効税率0. 4 株主資本時価1268億6200万 株主資本コスト0. 06 WACC 0. 0529 永久成長率0. 01 継続価値 997億9930万699 企業価値 1178億5868万7957 永久成長率をいくつにとるかで大きく変わってしまいますが、1%とすると1178億ドルとなりました。 現在の水準よりわずかに少ないですね。

次の

グループワーク 例題「マクドナルドの売上を上げるには?」│経営学のまとめ

マクドナルド 売上

日本マクドナルドホールディングス(HD)は2月13日、2019年12月期の決算を発表した。 連結売上高は18年12月期比で3. 5%増の2817億6300万円、営業利益は同11. 9%増の280億1800万円だった。 直営店とフランチャイズ(FC)店の売り上げを合算した全店売上高は創業以来最高の5490億円。 既存店売上高は15年12月から20年1月まで50カ月連続で前年同月を上回っている。 19年10月の消費増税による消費者の購買行動の変化に苦しむ外食産業において、一人勝ちともいえる結果を残した。 「2019年は記念すべき年となった。 だが、まだ成長し続けることは可能。 日本は成長のポテンシャルが大きい」。 決算発表会見でこう語ったサラ・カサノバ社長兼最高経営責任者(CEO)の表情は自信に満ちていた。 日本マクドナルドホールディングスのサラ・カサノバ社長兼CEO(左)と日本マクドナルドの日色保社長兼CEO 消費増税に際し、マクドナルドは店内飲食(税率10%)と持ち帰り(同8%)の税込み価格を同一とした。 併せて、ハンバーガーやチキンクリスプなど「100円マック」の主要商品の値段を10円引き上げるなど、メニューの3割を値上げした一方で、バリューセットなどの高価格帯やドリンク類は値段を据え置いた。 この価格戦略が功を奏した。 日本マクドナルドの日色保社長兼CEOは決算発表の会見で「増税時には顧客への分かりやすさを第一に考えた対応を取った。 増税の影響はそれほど大きくはない」と語った。 既存店売上高が堅調に推移していることに加え、値上げによって減ることが懸念された客数についても、台風被害などに見舞われた19年10月こそ2. 4%減だったものの、11月以降は前年越えが続いている。 増税によって消費者の低価格志向がより強まっていることも、マクドナルドをはじめとするファストフード業態への追い風となっているようだ。 日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査によると、ファストフード業態の19年11月、同12月の客数は前年同月比でそれぞれ3%前後伸びている。 その一方、ファミリーレストランや居酒屋はいずれも前年同月割れとなった。 ファミリーレストランの雄、すかいらーくホールディングスの19年12月期連結決算は、売上高こそ新規出店の効果もあって前の期に比べ2. 5%増の3754億円としたものの、営業利益が同10%減の206億円にとどまった。 特に客足の鈍化が著しく、既存店の客数は19年4月以降10カ月連続で前年同月割れが続いている。 すかいらーくホールディングスの谷真会長兼社長は「増税後は特に客単価の低い若年層の離脱が顕著。 その層はファストフードや牛丼3社に流れているようだ」と話す。 マクドナルドのさらなる成長のカギは「未来型店舗体験」の浸透だろう。 これまでセルフサービスが基本だった店舗に接客専門のスタッフを配置したり、商品を客席まで届ける「テーブルデリバリー」を実施したりする新たな施策をすでに全国約1700店舗(20年1月末)で導入した。 またスマホのアプリを使って注文・決済ができる「モバイルオーダー」も約2700店で実施している。 人手不足の中での接客の強化は簡単ではないが、「現状、必要な従業員は採用できている」(日色氏)と不安はない。 ただ、好調が長くなるほど、そのハードルを越え続けることは難しくなってくる。 「未来型店舗体験」という次の成長へのギアチェンジをやり切ることができるのか。 20年はマクドナルドの真価が問われる1年となりそうだ。

次の