新型コロナ特措法 内容 わかりやすく。 改正特措法の問題点 緊急事態宣言発令で責任の所在は?国?都道府県知事?|趣味のブログ

新型コロナ緊急事態宣言の前に-改正新型インフルエンザ等特措法を正しく理解する―緊急事態宣言と法との関係―

新型コロナ特措法 内容 わかりやすく

\あなたと家族を守る弁護士保険/ 緊急事態宣言とは? 櫻町弁護士:「「緊急事態宣言」とは、感染症が流行した際、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「新型インフル等特措法」とします)に基づき、政府対策本部長(=内閣総理大臣)が行う宣言及び公示のことをいいます。 少し長くなりますが、どのように規定されているかみてみましょう。 【新型インフル等特措法】 第16条 政府対策本部の長は、新型インフルエンザ等対策本部長(以下「政府対策本部長」という。 )とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもって充てる。 第32条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。 以下この章において同じ。 )が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。 )が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第5項及び第34条第1項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。 )をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。 附則第1条の2 1 新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和2年1月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。 )であるものに限る。 第3項において同じ。 )については、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律(略)の施行の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日までの間は、第2条第1号に規定する新型インフルエンザ等とみなして、この法律及びこの法律に基づく命令(告示を含む。 )の規定を適用する。 2 (略) 3 (略) 【新型インフル等特措法施行令】 第6条 1 法第32条第1項の新型インフルエンザ等についての政令で定める要件は、当該新型インフルエンザ等にかかった場合における肺炎、多臓器不全又は脳症その他厚生労働大臣が定める重篤である症例の発生頻度が、感染症法第6条第6項第1号に掲げるインフルエンザにかかった場合に比して相当程度高いと認められることとする。 2 法第32条第1項の新型インフルエンザ等緊急事態についての政令で定める要件は、次に掲げる場合のいずれかに該当することとする。 一 感染症法第15条第1項又は第2項の規定による質問又は調査の結果、新型インフルエンザ等感染症の患者(当該患者であった者を含む。 )、感染症法第6条第10項に規定する疑似症患者若しくは同条第11項に規定する無症状病原体保有者(当該無症状病原体保有者であった者を含む。 )、同条第9項に規定する新感染症(全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限る。 )の所見がある者(当該所見があった者を含む。 )、新型インフルエンザ等にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者(新型インフルエンザ等にかかっていたと疑うに足りる正当な理由のある者を含む。 )又は新型インフルエンザ等により死亡した者(新型インフルエンザ等により死亡したと疑われる者を含む。 )が新型インフルエンザ等に感染し、又は感染したおそれがある経路が特定できない場合 二 前号に掲げる場合のほか、感染症法第15条第1項又は第2項の規定による質問又は調査の結果、同号に規定する者が新型インフルエンザ等を公衆にまん延させるおそれがある行動をとっていた場合その他の新型インフルエンザ等の感染が拡大していると疑うに足りる正当な理由のある場合 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)については、「肺炎の発生頻度が季節性インフルエンザにかかった場合に比して相当程度高いと認められること」、かつ、「感染経路が特定できない症例が多数に上り、かつ、急速な増加が確認されており、医療提供体制もひっ迫してきていること」から、新型インフル等特措法施行令6条の要件が満たされているとして、令和2(2020)4月7日、政府対策本部帳である安倍首相が、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨を宣言し、公示がなされました (官報「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に関する公示」( ))。 4月7日の宣言の時点において、対象となる区域は「 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県」、期間は「 令和2(2020)年5月6日まで」となっています。 そして、緊急事態宣言が発せられた場合には、「新型インフルエンザ等緊急事態措置」、すなわち、「国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにするため、国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関がこの法律の規定により実施する措置」(新型インフル等特措法2条3号)が講じられることになります。 具体的には、緊急事態宣言の対象区域となった都道府県の知事は、 ・住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請すること(新型インフル等特措法45条1項) ・学校、社会福祉施設(略)、興行場(略)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。 )に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請すること(同条2項) ・施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示すること(同条3項) ができます。 なお、施設管理者等への「指示」は、「施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないとき」であって、「特に必要があると認めるときに限り」行うことができるものであり、指示が可能な場合は限定的となっています。 そして、こうした要請や指示をした場合、都道府県知事はその旨を公表しなければなりません(新型インフル等特措法45条4項)。 緊急事態宣言の対象区域において、具体的にどのような措置が講じられているかをみると、例えば東京都の場合は以下のようになっています (東京都「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」 2020041000. pdf)」。 ・新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第1項に基づき、医療機関への通院、食料の買い出し、職場への出勤など、生活の維持に必要な場合を除き、原則として外出しないこと等を要請 事業者に対し: ・特措法第24条第9項に基づき、施設管理者もしくはイベント主催者に対し、施設の使用停止もしくは催物の開催の停止を要請。 ) ・運動、遊技施設(体育館、水泳場、ボーリング場、スポーツクラブなどの運動施設、 又はマージャン店、パチンコ屋、ゲームセンターなどの遊技場 等) ・劇場等(劇場、観覧場、映画館又は演芸場) ・集会・展示施設(集会場、公会堂、展示場/博物館、美術館又は図書館、ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。 以上のように、新型インフル等特措法に基づく緊急事態宣言が発せられた場合でも、都道府県知事がなし得るのは「要請」であり、施設管理者等が要請に応じない場合に限り施設の使用停止等を「指示」できるとするのが、新型インフル等特措法の仕組みです。 したがって、欧米の各国においてなされているような、国民(住民)の外出を法的に「禁止」することはできません。 あくまで、(生活の維持に必要な場合等を除いて)外出しないことを要請できるにとどまります。 また、要請に反して外出した場合でも、罰則はありません」 まとめ 海外のように「外出を禁止しなければならなくなる」という声がありますが、日本の法律では現状難しい様子。 緊急事態宣言で事態が収束するよう願いたいですね。 *取材協力弁護士:(パロス法律事務所。 弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。 ) *取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。 仕事依頼も随時受け付けています 最新の投稿• Topics• 弁護士一覧• 弁護士となってから、数々の不倫・離婚問題に携わってまいりましたので、不倫問題・離婚問題はお任せください。 迅速に対応いたします!LINEでの相談も承っております。 【無料法律相談の質にこだわる】【24時間・365日受付・土日祝日・早朝や深夜も対応可能】【弁護士7名・司法書士1名所属】【全国対応可能】 迅速な対応、わかりやすい説明、徹底した報告を軸に、アイデアと馬力を駆使して、皆さまのために戦います。 今まで取り扱ってきた案件は多岐にわたりますが、男女トラブル、不当要求への対応及び刑事事件に特に力を入れております。 他の事務所では話も聞いてくれなかった、という声を耳にいたしますが、皆様のお話をきちんとお伺いしなければ問題解決の糸口が見つかるはずもありません。 まずはお気軽にご相談いただきたく思います。 facebookページ.

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【コロナ休業要請】協力金はどうなる?東京都を例にわかりやすく解説※4/23追記

新型コロナ特措法 内容 わかりやすく

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正法が成立し、新型コロナウイルス感染症にも適用されることになりました(以下、 新型コロナ特措法といいます。 そして、政府は4月7日に 新型コロナ特措法に基づいて「緊急事態宣言」を発令しました。 しかし、 新型コロナ特措法や緊急事態宣言について、詳しい知識があるという人はかなり少ないのではないかと思います。 「緊急事態宣言」は、名称それ自体も非常にインパクトのあるものなので、誤解・勘違い・思い込みによって誤った対応をとってしまう人や、必要以上に不安を感じている人も多いでしょう。 そこで今回は、緊急事態宣言の根拠法である 新型コロナ特措法や緊急事態宣言の具体的な内容、また世間で騒がれている法の限界についてまとめてみました。 このような状況では、正しい知識を得た上で、落ち着いた対応をすることが大切です。 1、新型コロナ特措法とは? 上記のとおり、新型コロナ特措法とよばれている法律は、正式には「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律」といい、今年(令和2年)の3月13日に公布、翌14日から施行されているものです。 とはいえ、この法律それ自体は、すでに平成24年に制定されている「新型インフルエンザ等対策特別措置法を新型コロナウイルス対策としても期限付きで読み替える」という法律に過ぎません。 なお、新型コロナ特措法は、政令によってその効力の期限が定められております。 【参考】(3月17日発行特別号外) 2、新型インフルエンザ等特別措置法の内容 新型コロナ特措法の内容となっている新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下、この記事で「特措法」という言葉を用いるときにはこの法律を指すものとします)の重要なポイントを整理しておきましょう。 (1)新型インフルエンザ等対策特別措置法の制定目的と主な内容 この特措法は、かつて世界的に流行した新型インフルエンザ(H5N1型:いわゆる鳥インフルエンザ)の感染によって、医療現場が混乱・崩壊し、社会的な混乱が生じることによって多大な被害が生じることを防止するために、平成24年に制定されたもので、以下のような内容が定められている法律です。 国や地方公共団体には、蔓延を防止するために適確かつ迅速に対策を実施しなければならない責務があること• 事業者や国民には蔓延防止ための努力義務があること• 予防などの措置は基本的人権を尊重し必要最小限にとどめるべきこと• 国などが事前に定める行動計画に関する事項• 新型インフルエンザ等が発生した際に国などが設置する対策本部に関する事項• 感染の蔓延を防止するために必要な措置に関する事項• 緊急事態宣言に関する事項 (2)緊急事態宣言を発令しなくても行うことのできる措置の具体例 特措法においては、新型インフルエンザ(新型コロナウイルス)等の感染の蔓延などを防止するために、政府などに次のような措置を行う権限が認められています。 日本において新型コロナウイルス感染端緒になったとされる豪華クルーズ船が来港した際にとられたような措置をイメージすればわかりやすいといえるでしょう(ただし、このケースの場合には、新型コロナ特措法制定前ですから、「お願いベースでの対応」だったということになります)。 最近では、大阪市内の市立病院がコロナウイルスに特化して医療行為を提供することを決めたのは、特措法に基づく大阪府知事(大阪市長)からの要請に基づくものといえます。 【参考】(大阪市立十三市民病院) 3、特措法における緊急事態宣言 今回政府によって発令された緊急事態宣言は、特措法に基づく措置のひとつであり、具体的には次に引用する特措法32条が根拠条文となっています。 (新型インフルエンザ等緊急事態宣言等) 第三十二条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等(国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものに限る。 以下この章において同じ。 )が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(以下「新型インフルエンザ等緊急事態」という。 )が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示(第五項及び第三十四条第一項において「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」という。 )をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。 一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間 二 新型インフルエンザ等緊急事態措置(第四十六条の規定による措置を除く。 )を実施すべき区域 三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要 2 前項第一号に掲げる期間は、二年を超えてはならない。 3 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等のまん延の状況並びに国民生活及び国民経済の状況を勘案して第一項第一号に掲げる期間を延長し、又は同項第二号に掲げる区域を変更することが必要であると認めるときは、当該期間を延長する旨又は当該区域を変更する旨の公示をし、及びこれを国会に報告するものとする。 4 前項の規定により延長する期間は、一年を超えてはならない。 5 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態宣言をした後、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言(新型インフルエンザ等緊急事態が終了した旨の公示をいう。 )をし、及び国会に報告するものとする。 6 政府対策本部長は、第一項又は第三項の公示をしたときは、基本的対処方針を変更し、第十八条第二項第三号に掲げる事項として当該公示の後に必要とされる新型インフルエンザ等緊急事態措置の実施に関する重要な事項を定めなければならない。 以下では、特措法が緊急事態宣言についてどのような定めを設けているかについて確認していきたいと思います。 (1)緊急事態宣言を発令するための要件 特措法32条は、政府が緊急事態宣言を発令するためには、以下の3つの要件を満たしている必要があると定めています。 コロナウイルス等の感染が国内で発生している• コロナウイルス等の感染が国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるとき• コロナウイルス等の全国的かつ急速なまん延により国民の生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある なお、上の要件のうち健康被害や急速な蔓延についての具体的な基準については、政令によって定められています(新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令6条)。 いまの日本における感染の状況は、新型コロナウイルスに感染したことにより肺炎や多臓器不全を発症する患者の割合も多く(重大な健康被害がある)、感染経路を特定しきれないケースが相当程度ある(急速な蔓延状況にある)といえるので、上の要件を満たす状況にあるといえます。 (2)緊急事態宣言を発令すると可能になる措置 緊急事態宣言は、行政手続としては、「緊急時の例外」として国や都道府県知事等の権限を「平時よりも拡大・強化」することにより、感染の蔓延を防止するための最善の措置を迅速かつ確実に実行できるようにするための措置です。 とはいえ、緊急事態宣言発令後であっても、国や地方自治体に「どのようなことでもできる権限」が与えられるというわけではありません。 特措法においては、緊急事態宣言が発令された場合には、以下の3つの措置について、行政機関の権限が強化されることが定められています。 蔓延の防止に関する措置• 医療等の提供体制の確保に関する措置• 感染を防止するための協力要請等(特措法45条)• 予防接種実施のために必要な措置(特措法46条) たとえば、現在、都道府県知事などから要請されている「不要不急の外出自粛の要請」は、特措法45条1項(下に引用のとおり)に定められている権限に基づいて行われているものです。 新型インフルエンザ等対策特別措置法45条1項 「特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して 当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。 そこで、緊急事態宣言が発令された場合には、国や都道府県知事には、適切かつ十分な医療を確保するために必要な措置を講じる義務(特措法47条・48条)があるだけでなく、臨時医療施設を設置するために、民間の土地・建物などを占有する権限が認められています(特措法49条)。 緊急事態宣言発令下にある一部の都道府県では、軽症患者を病院ではなく民間のホテルなどに宿泊させることで、医療リソースを節約しながら感染の拡大防止・軽症者への医療提供する措置が講じられていますが、このような措置も特措法を根拠に行われているものです。 なお、臨時の医療設備を設置するために、都道府県が民間の土地・建物などを使用する際には、それによって生じる土地・建物所有者の損失補償されることになっています(特措法62条)。 また、臨時医療施設を設置するために土地・建物などの都道府県による使用を要請された土地・建物などの所有者は、「正当な理由」がない場合には、これを拒むことができないとされています(特措法49条2項)。 そこで、緊急事態宣言が発令された場合には、国・都道府県知事などは住民の生活や社会経済を安定させるために必要な措置を講じることができるようになります。 この点について、特措法は次のような措置の実施についての規定を設けています。 緊急事態措置の実施に必要な物資・資材を確保するための措置(特措法50・51・55条)• ライフラインや運送・通信・郵便確保のために必要な措置(特措法52・53条)• 緊急物資搬送のために必要な措置(特措法54条)• 火葬、埋葬に関する特例措置(特措法56条)• 患者の権利保全に必要な措置(特措法57条)• 金銭支払い(猶予)・緊急融資などの特例措置(特措法58・60条)• 生活関連物資等の価格の安定のために必要な措置(特措法59条)• 通貨及び金融の安定に必要な措置(特措法61条) (3)緊急事態宣言が発令されると私たちに何かしらの義務が生じる? 緊急事態宣言が発令されたとしても、私たちが「何かしらの義務を負う」というケースは、実際にはほとんどありません。 国民や事業者などに義務が生じるのは、上で触れた• 「臨時医療施設設置のための都道府県による土地・建物利用」 のケースや• 具体的措置に必要な物資などの保管(特措法55条)• 感染予防などに必要となる立ち入り検査(特措法72条)などに応じる義務(特措法77) などのケースに限定されています。 しかし、現行法の下においては、これらの措置(義務と罰則を科す外出禁止や特定地域への出入りの制限)を国や都道府県が行うことはできません。 特措法などの関連法規ではこのような権限は認められていないからです。 なお、この点については下記の記事で別に解説を加えていますので、関心のある方は参考にしてください。 たとえば、「コロナ感染予防に効果がある」という触れ込みの食料品・医薬品などの押し売りや、「緊急事態宣言によって購入が義務づけられた商品がある」とった手口で、粗悪品・不要品を売りつける行為などが行われることが考えられます。 しかし、すでに触れたように、現行法の下においては、国や都道府県が住民に対して何かの購入を義務づけるようなことはありません(そのような権限はない)。 新聞報道などをみると、すでにその手の詐欺も散見されるようなので、十分に注意しておきたいものです。 【参考】 (朝日新聞デジタル) (静岡新聞デジタル) 4、新型コロナ特措法の限界 ここまで特措法の概要について解説してきましたが、特措法それ自体は、必ずしも新型コロナウイルスに関する問題を抜本的に解決できる法律というわけではありません。 実際にも、有識者からは「特措法は悪法」といった声もあがっているようです。 各種の報道で紹介される有識者などの発言では、次のようなことが特措法の不備としてあげられているようです。 国と地方の責任が曖昧• パチンコ店などの営業停止(外出禁止)を強制できるようにすべき• 補償の範囲が狭い• 緊急事態宣言解除の要件が明確でない (1)国・都道府県の法律上の責任は曖昧なのか? 特措法の問題点を指摘する有識者などからは、「国・都道府県の責任が曖昧」、「営業停止を強制できる権限が必要」といった声があがることが少なくないようです。 そのなかでも、対策の実施主体の中心となるのが地方公共団体であり、知事には、具体的な対策を実施するための「総合調整」を行う権限(平時よりも広い権限)が与えられているというのが、特措法の仕組みの特徴といえます。 たしかに、一部の有識者が指摘するように、「国は口だけ出して、手は出さない」という仕組みと読めなくもないのですが、本当にそうなのでしょうか。 また、それぞれの地位によっても生活の状況・感染の程度も大きく異なります。 そのことを前提にすれば、 「法律の作り方」としては、「主役は地域(知事)で、国はそれを正しく支援する」という枠組みにしておくことは理にかなっているとも考えられます。 また、知事の権限に関する規定が抽象的・一般的なものになってしまうのも「そのときに必要と思うことを柔軟・迅速に実施できる」ようにするという意味では、誤った法律の定め方とはいえないと評価することもできます。 法律の規定が具体的になればなるほど、「あらかじめ決まっていること以外はすべきでない」という解釈になってしまう可能性があるからです。 たしかに、緊急時には「強いリーダーシップ」が求められる風潮があり、そのような法律があった方が理想的なように思われることも少なくありません。 少なくとも特措法は、トップダウン型の仕組みを作っていないので、それを是とする人にとっては不備のある法律にみえると思います。 しかし、権限・責任を集中させる仕組みは「良いことばかり」というわけではありません。 緊急時に責任・権限が特定人に集中すれば、そのリーダーの失敗・失策によってさらに被害が大きく拡大するリスクを抱え込むことになります。 上でも述べたように、今回のコロナ禍のような問題は、地域によって状況が大きく異なります。 したがって、日本各地のすべての対策について、一カ所に権限を集中させる(責任を明確化する)ということは、「一種のギャンブル」であるともいうことができます。 識者による「特措法の規定は責任の所在が不明瞭」という批判も、法律それ自体に向けられたものというよりは、「政治のあり方(政治家のふるまい)に対するいらだち」という色彩の方が強いのではないでしょうか。 (2)外出禁止・営業停止を強制する権限は必要か? 国・知事の権限に関しては、特措法がいわゆるロックダウンのような「外出禁止・営業禁止(停止)」の強制措置に関する規定を設けていないことが批判の対象となることもあるようです。 実際にも「強制的に営業を停止させられたらよい」といった趣旨の発言をしている都道府県知事もいるようです。 たしかに「外出禁止・営業停止の強制」という手法が「絶対的に正しい対処方法」であったとするのであれば、特措法(および関連法規)の不備と考える余地があります。 とはいえ、こればかりは「結果論」や「選択の問題」でしかありません。 また、実際にロックダウンによる封じ込めがうまくいっている国の多くは、ロックダウン期間中に PCR検査の拡充を積極的に行っていることからも、「外出さえ禁止すれば問題が解決する」というわけでもなさそうですが、これも「結果論」でしかありません(世界的なトレンドとしては「検査の拡充が感染拡大を防ぐ」という認識の方が強く、ロックダウンはその時間を確保するための措置という位置づけだと思われます)。 ちなみに、ロックダウンを行っていないという国は日本だけではないので、強制措置をしないことが特異というわけでもありません。 たとえば、スウェーデンでは、「日本よりもかなり緩やかな外出自粛措置」にとどまっています。 以上を踏まえれば、「外出禁止・営業停止の強制」よりも、市民生活に影響少ない方法で感染の蔓延・拡大を防止できることが理想であることは間違いがないといえます。 その意味で「私権の制限は最小限にとどめるのが原則」、「外出は禁止ではなく自粛要請まで」という特措法の定め方には一定の整合性があるといえ、「不備であるかどうか」という議論にはなじまないような気がします。 (3)市民への補償が不十分なのは特措法の不備が原因なのか? 外出自粛などの措置に伴って、市民経済が停滞したことにより、多くの人が経済的なダメージを受けています。 それに対する補償(国民への一律給付)の実施については、政府側の対応はかなり二転三転してしまいました。 たしかに、特措法では、国の補償義務は、国による土地等の(強制)使用や物資の買い上げ、医療従事要請などがなされた場合などに限定されています(62条)。 そのことから「市民への補償を義務づける条項」が定められていないことを特措法の問題点として指摘する人もいるかもしれませんが、この点を「特措法の欠陥」と論じるのは、やや乱暴な議論ではないかと思われます。 実際の対応としても、二転三転したものの、最終的には「一律10万円の給付」で決着しています。 特措法に定めがなくとも、種々事情を総合的に考慮し、必要性が認められるのであれば、政治判断で適切な補償はなされ得るものです。 その意味では、 「補償」の問題は、法律の不備というよりは、「『国民の生活を守る』ことを政治がどれだけ重視しているか」という問題なのではないかと考えられるわけです。 誤解を恐れずに表現すれば、「国民は国のために我慢するのが当たり前」と考えるのか「自粛を求めるのだから生活保障するのが国の責務である」と考えるのかの違いといえますし、そうであれば、「法律」ではなく、「それを用いる運用者(政治)」の問題ということになりそうです。 たとえば、都道府県・市町村レベルでは、国による補償よりも遙かに手厚い対応をしているところも少なくありません(具体例については下記参照)。 「住民の生活を守るべき」と政治が決めれば対応はいくらでも打てるということです。 【参考】 (延岡市ウェブサイト) (4)緊急事態宣言の解除条件~見えない出口戦略 先日発令され(延長された)緊急事態宣言については、解除条件(いわゆる出口戦略)が見えないことが批判の対象となることがあります。 この点について、特措法は32条5項において、「政府対策本部長は、新型インフルエンザ等緊急事態宣言をした後、新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに、新型インフルエンザ等緊急事態解除宣言(新型インフルエンザ等緊急事態が終了した旨の公示をいう。 )をし、及び国会に報告するものとする」と定めています。 つまり、特措法としては「必要がなくなったらすぐに解除せよ」ということしか定めていないのですが、これも法律の定め方としては、仕方のないところで「欠陥」とまでは言い切れないでしょう。 なぜなら、今回のような問題は、ウイルス感染の状況(感染率・感染者増減の推移や重症患者・ウイルスの危険性の程度など)に応じて最終的な結論が変わるべきなので、細かい解除条件を(数値などの形で)あらかじめ明文化しておくことにはなじまないものだからです。 とはいえ、外出の自粛、営業停止といった措置は、市民生活に大きな影響を与えますし、「出口が見えない」ことは精神的な負担も大きくさせる要因となります。 その意味では、「政治の仕事」として緊急事態宣言発令の段階で、「解除要件についての最低限の見通し」を定め国民に対して公表すべきだったといえます。 昨今増えている「自粛警察」のような行為も、「いつになったら解除されるのかわからない」ことへのいらだちが「一緒に我慢できない(価値観を共有できない)人への反発」となっているものといえるでしょう。 このようなことを起こさないのは、法律ではなく、政治の仕事ではないかと筆者は考えています。 生活というのは、それぞれ異なる事情の上に成り立つものですから「強制すれば良い」と安易に考えることは非常に危険だと思うのです。 (5)今後の課題 特措法やそれに基づく対応などについては、今後もさらにさまざまな意見・批判がでてくるものと思われます。 それだけ、コロナ禍によって多くの人が大きな影響(被害)を受けているということなのでしょう。 まずは、一刻も早く状況が良い方向に向かうことを祈るばかりです。 この点は、筆者の評価に過ぎないということをあらかじめお断りしておく必要があると思いますが、特措法それ自体は、「悪法・欠陥法」というレッテルを貼るようなものではないと思われます。 法律はそもそも万能ではありませんし、仮に、現状にそぐわない規定があれば、必要な議論をしっかりした上で「改正すれば良い」というだけのことだからです。 少なくとも、特措法は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止を「邪魔する存在」ではありません。 特措法の規定のために「必要なことが出来ていない」ということは現状では起こっていないと考えられるからです。 外出禁止・営業停止の実行担保についても、「法律で強制する」のではなく、すべての国民・事業者が安心して外出を自粛できる・営業を停止できる「環境を整える」のが政治の使命なのではないでしょうか。 特措法は、その性質からどうしても抽象的な規定にならざるを得ない面があります。 実は、 解釈の幅の広い法律ほど「運用者の資質」が問われるものです。 今回、さまざまな識者などからあがる批判の声の多くは、法律それ自体の不備というよりは、「法律を正しく運用できていない政治」への批判であるように思われます。 今後、感染の拡大が食い止められたとしても、今回のような状況が再び発生しないという保証はありません。 実際、「二次拡大のリスク」が高いことは世界的にもほぼ共通の認識となっています。 万が一、次の事態が生じた際に同じような混乱を繰り返さないために、 「社会にとって本当に必要なことは何か」ということを社会全体で丁寧に議論していくことが、いまの私たちにとって一番大切なことといえるのではないでしょうか。 まとめ 新型コロナ特措法は、新型コロナウイルスの感染拡大を予防し、私たちの暮らしの安定を守るために必要な措置を行えるだけの特殊な権限を国や都道府県知事に臨時的(期間限定で)に付与するための法律ということができます。 しかし、新型コロナ特措法は、この法律に基づいてさまざまな措置が講じられる際にも、わたしたちの基本的な権利が侵害されないように行われる必要があることも定めています。 したがって、緊急事態宣言が発令されたといっても、国や地方自治体が住民に強制的な措置を講じることができるケースは、非常に限定されています。 このような状況で最も危険なのは、住民が不正確な情報に基づいた誤った対応をとることで、社会がさらに混乱してしまうことといえます。 また、社会混乱に乗じた不正行為の被害に遭わないように注意することも大切でしょう。 カテゴリー• 101• 153• 190• 129• 118• 135• 361•

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新型コロナウイルスの助成金(補助金)についてわかりやすく解説!

新型コロナ特措法 内容 わかりやすく

2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。 )、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。 )その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。 )に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。 e-gov. 各都道府県知事が国の要請関係なく、非常事態宣言を発令できるのはこの特措法45条があるからです。 ただ、各都道府県知事が発令する『非常事態宣言』はあくまでも要請になります。 政府が発令する『緊急事態宣言』(非常事態宣言)は、法的効力が発生するため、ある程度の強制力が政府にはあります。 政府が発令する『緊急事態宣言』が発令された地域の知事には、政府と同等レベルの権限が与えられるので、休業要請や外出自粛については更に厳しくなることになります。 特措法45条に基づいた記事もいくつか書いているので、併せて読んでみてください。 特措法45条による休業要請について 特措法45条における休業要請で『生活に必要な外出』以外は原則自粛となっています。 東京都としては、首都機能もあり、クラスター発生の懸念もあります。 そのため、外出自粛だけではなく、店舗の休業要請や時短営業について国と都で食い違っていましたね。 当初休業要請になっていた居酒屋でしたが、時短営業となっていました。 営業するための努力も大切ですが、なんのための緊急事態宣言なのか。 わけがわからなくなってきそうですね。 まとめ 特措法改正で45条の内容をもう一度確認。 外出自粛・緊急事態宣言どうなる? 緊急事態宣言が発令された地域だけでなく、京都や愛知は独自の非常事態宣言を発令し、外出自粛を呼び掛けています。 そうなれば、家にいる時間が長くなってストレスを抱える人もいれば、オンライン飲み会をするなど工夫をする人もいます。 正直、危機感を持った方がいいと思います。

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