俺 ガイル ss 雪乃。 俺ガイル短編SS集in炊飯器

俺ガイルおすすめSSまとめ【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】

俺 ガイル ss 雪乃

八幡「幸せのサチコさん? 何じゃそりゃ」 結衣「えー、ヒッキー知らないの? 今流行りのおまじないなんだって」 八幡「おまじないとか胡散臭すぎる……俺がそんな流行知るわけねぇだろ」 結衣「ゆきのんは?」 雪乃「私も知らないわね。 そういうものにはあまり興味がないから」 結衣「じゃ、あたしが説明しよう!」 八幡「別にいい。 興味ねーし」 結衣「ヒッキーは黙ってて!」 結衣「このおまじないを一緒にするとね、『みんなでずっと友達でいられる』んだって」 八幡(うわあ……出たよ) 八幡(ズッ友とか言い合ってるやつらに限って卒業したら普通に疎遠になって気づいたらもう赤の他人同士になってるんだぜ) 結衣「ね。 何か素敵だよね」 雪乃「みんなでずっと……正直煩わしい言葉ね。 そういう言葉にすがるような人間同士の友情なんて薄っぺらいものだと思うわ」 八幡「だな。 つかそれ、サチコさんにお願いするわけ? 他人に頼んで維持してもらう人間関係とか欺瞞だな」 雪乃「第一、そのサチコさんとやらは何の見返りもなしに願いを叶えてくれるというの? 怪しいわね。 何か裏があるのではないかしら」 八幡「まず『幸せのサチコさん』とかわざわざ呼んでる時点で怪し過ぎる。 絶対サチコさん幸せじゃないだろ」 八幡(幸子という名前の幸薄い感じは異常。 幼いから自分のこと『さっちゃん』って呼んでるだけで頭がおかしい子扱いされるんだぜ……) 結衣「もーふたりとも勘ぐり過ぎだし!」 結衣「別にいいじゃん。 ただのおまじないなんだから、細かいことは置いといて」 結衣「……その、さ。 一緒にやらない?」 雪乃「……」 八幡(『一緒にやらない?』。 これは誰に対して向けられた言葉なのか) 八幡(まあ十中八九、雪ノ下に対してだろう。 経験上こういう場合、俺は近くにいても対象外なのだ。 男八幡、対象GUY) 雪乃「やらないわ」 結衣「えー!? どうして!? ゆきのん、一緒にやろうよー」 雪乃「どうしてそんなことをする必要があるの? おまじないなんて子供じみたまやかしでしかないわ」 結衣「……ゆきのん、あたしのこと、友達だと思ってなかったり……するのかな」 雪乃「そ、そういうわけでは……ないのだけれど」 結衣「あたしは、ゆきのんとずっと友達でいたいって思ってるよ」 雪乃「さん」 結衣「もちろん、それって簡単なことじゃないと思うし、いろいろ事情も変わるかもだけど……それでも今はそう思ってるの」 結衣「だからこれは、ちょっとした願掛けっていうか……んーと、とにかく、やりたいんだ」 結衣「だからさ。 やろうよ、ゆきのん。 幸せになるおまじない」 雪乃「……はぁー。 理屈を並べ立てても仕方がなさそうね。 分かったわ、これきり、一回だけなら」 結衣「やったー!」 八幡(ここにキマシタワーを建てよう。 つか、雪ノ下さん相変わらずに対して激甘過ぎませんかねぇ……) 八幡(まあでも、こいつらも多感な思春期の女子なのだ。 おまじないとかいかにも女子っぽい遊びでいいじゃないか) 結衣「じゃ、やり方説明するから。 ヒッキーもこっち来て」 八幡「え?」 雪乃「何を呆けた顔をしているの。 あなたの意思は確認するまでもないでしょう?」 八幡(え、なに? 俺も混ざっていいの? まじゃりんこしちゃっていいの?) 八幡「いや、ちょっと待てよ……。 これってそもそも前提条件として『友達』じゃなきゃいけないんじゃねぇの?」 八幡「俺って……その、お前らの……何よ?」 結衣「え? ヒッキーはあたしの……。 って!? え、何それ! ヒッキーなんて別にあれだし! ただのアレだし!」 雪乃「比企谷くんはただの人でしょう?」 八幡(TDNは人だった……? おっ、そうだな。 いや、まあ俺……人なんですけどね) 八幡「おい……もうちょっと言い方あるだろ。 その、同級生とか」 結衣「う、うん、まあそうだけど……。 あ、あと部活の仲間的な!」 雪乃「仲間……? 比企谷くんはむしろ冴えないヒールのような気がするのだけれど」 結衣「あ、確かに……」 八幡「ヒールなのに冴えない小悪党かよ……。 あー、まあ何でもいいけど。 とりあえず俺はおまじないとかマジ興味ねぇから別に……」 静「面白そうな話をしているな。 そろそろ私も交ぜろよ!」ガラッ 八幡(え、何、池田? 麻雀するの?) 結衣「あ、平塚先生」 雪乃「先生、入って来る時はノックをするようにといつも……」 小町「呼ばれて飛び出てこにゃにゃちわ~! 小町、参上!」 八幡(いや呼んでねーよ? てか何で小町いるの、いやマジで) 雪乃「小町さん?」 結衣「小町ちゃん、やっはろー」 小町「やっはろーです、結衣さん」 八幡「いやお前本当になんでいるの?」 小町「はい、これ。 お兄ちゃんにプレゼント」 八幡「何これ……って俺の雨がっぱじゃん」 小町「今日は夕過ぎから雨って予報だったのに、お兄ちゃん忘れてるから、小町が届けに来てあげたのです」 八幡「え、マジで……」 結衣「そういや、ずいぶん空暗くなってきたよね」 雪乃「そうね。 今にも降り出しそうだわ」 八幡「いや、お前……そのためだけにうちの学校に来たの?」 八幡「それお前の労力大き過ぎない? 少々の雨ならで頑張るよ俺、自転車だし」 小町「お兄ちゃんが濡れて風邪ひいたら大変だって思ってね。 あ、これ小町的にポイント高い」 八幡「ぐ、あざと可愛い……」 小町「まあ、実際風邪ひかれてうつされたら迷惑ですし」 結衣「だよねー、家族が風邪ひくと絶対うつされちゃうよね」 雪乃「でしょうね」 八幡「そのひとことはお兄ちゃん的にいらなかったなあ……」 静「ははは、まあそう気を落とすな比企谷」 雪乃「それで、先生のほうはどういうご用件で?」 静「ああ、私も天気のことでな。 これから夜にかけて荒れるそうだから今日は早めに帰るようにと生徒に促して回っているんだ」 八幡「ほーん。 じゃあさっさと帰ったほうがいいですね。 じゃ、俺帰るわ」 静「まあ、待ちたまえ。 君たち、おまじないがどうとか話をしていたな」 結衣「あ、はい。 幸せのサチコさんっていうおまじないなんですけど」 静「幸せのサチコさんか。 私もうら若き乙女だからな。 おまじないとか、そういう話にはときめきてしまうね」 八幡「アラサーがうら若き乙女とかいうの傍から見たらかなり痛いですよ」 雪乃「先生、キャラが違いますし無理はしないほうがいいかと」 静「君たち……そういう率直な発言はときに控えるべきだと学ぶ必要があるな」 小町「先生がアラサーなのは置いといてっ。 小町も占いとかおまじないとか超興味あるわけで!」 小町「廊下から聞こえた話だとー、みんながずっと友達でいられるとか?」 結衣「うん、そうなの! あ、じゃあ小町ちゃんも一緒にやらない?」 小町「結衣さん、雪乃さん、平塚先生と一緒に! 小町が入ればなし崩しでお兄ちゃんも引き入れられる!」ゴニョゴニョ 小町「お兄ちゃんとみなさんの縁結びを強化する願掛けのチャーンス! 乗るしかない、このに!」ゴニョゴニョ 八幡(なにごにょごにょ独りごちてるのこの子……まあだいたい魂胆は見え透いているが) 小町「やりますやります! みんなずっと友達でいられるおまじない!」 戸部「何それ、おまじない? ちょー面白そうじゃね?」 海老名「結衣ー、はろはろ~」 結衣「あ、姫菜。 優美子に隼人くんも」 葉山「やあ」 三浦「へー、ずっと友達……ねぇ」 八幡(え、何……何なの? 何でこいつら大挙してうちの部室に来てるの? 道場破りか何か?) 雪乃「あなたたち、何か用があるの?」 海老名「結衣、教室にカバン忘れていったでしょ。 もう下校時刻近いし、もってきたよ」 結衣「あ、そういえば……忘れてた! ありがとー」 三浦「ま、そんだけなんだけど」 葉山「俺達はちょうど部活帰りでさ、優美子たちに会って、まあ……成り行きでついてきたんだ」 戸部「そーいうわけでー。 あ、でさ、さっきのおまじないって?」 結衣「あ、うん。 それはねー」 八幡(おいおい、携帯忘れるのはともかくカバン置き忘れるとかどうよ。 まあ、それはともかくとして) 八幡(やけに乗り気だな、戸部。 なに、そんなにおまじないやりたいの? 乙女戸部なの?) 八幡(案外、海老名さんと今後もお近づきでいたいという気持ちの裏返しかもしれない) 八幡(二人きりでこういうのしたいとは言いづらいが、集団でやるなら率先してやりたがってもそんなに怪しまれないからな) 八幡(同様に、三浦は葉山に対する気持ちから乗り気なのかもしれん。 はっきりと口にしてはいないが、もう表情が興味津津だし) 八幡(つか、このおまじないの話、は葉山たちには話してなかったのか) 八幡(さっき携帯をいじっていたときに知ったから、まだ話す機会がなかったのか) 八幡(それとも、以前から知っていたけど、あえて彼らではなく俺達に対して提案したのか) 八幡(ま、深く考えるほどのことでもないか) 八幡(どっちにしろ、この流れ……たぶん全員で『幸せのサチコさん』とやらを実践することになりそうだ。 全部で9人か) 八幡(葉山たちとズッ友とか無いわー。 つか友達じゃねぇし。 もっと言えばそもそも友達など一人もいないまである) 八幡(ずっと友達……。 よし、この流れなら言える! 俺は戸塚とズッ友でいたい!!) 八幡(これは早急に戸塚を呼ぶべきだ。 否、呼ばなければならない!) 八幡「な、なあ……折角だし、戸塚も……(小声)」 結衣「白い紙ある?」 雪乃「ここにあるけれど」 葉山「ここにヒトガタを書けばいいんだな?」 三浦「大きさはどれくらいなわけ?」 小町「誰かハサミもっていますか?」 海老名「私持ってるよ。 ハサミと、ノリも。 ハサミが責めでノリが受け……ぐへへ」 三浦「ノリはいんないから。 つか海老名、ちょっと黙ってろし」 戸部「っべ、俺なんかワクワクしてったわ!」 静「おい比企谷、早くこっちに来い。 始まるぞ」 八幡(ぐ、だめか……戸塚なしい……) 雪乃「準備できたわね。 あまり気乗りはしないけれど」 三浦「なら雪ノ下さん外れたら? 別にあーしは問題ないけど?」 雪乃「気乗りはしないだけでやると決めたからにはやるわ。 後から乗っかってきたのに横柄な態度を取るのは控えてもらえるかしら」 三浦「な。 あーしは……!」 結衣「まあまあまあ抑えて優美子。 ね、ゆきのんも」 葉山「せっかくの機会だし、みんなで仲良くやろうじゃないか。 な、優美子」 三浦「……ま、まあ隼人がそういうなら別にいいけど」 八幡(ギスギスしすぎィ! なら別々にやればいいだろ……と言いたいところだが) 八幡(そうなるとがコウモリになってしまう。 乗りかけた船だ。 穏便に済ませてしまうしかない) 八幡「で、どうするんだ」 結衣「ああ、うん。 みんなでこのヒトガタを掴むの。 どこでもいいから」 戸部「どこでも? じゃあ俺は足にするべ。 サッカー部だし」 海老名「じゃ、わたしは頭で」 静「全員掴んだか?」 小町「おっけーでーす」 結衣「次に、全員心の中で『サチコさんお願いします』ってここにいる人数分唱えるの。 えっと、ひーふーみー」 八幡「全部で9人だ。 9回だな」 結衣「あっうんそう。 この時、唱える回数間違えたらおまじないが失敗するみたいだから皆気をつけてね」 雪乃「気をつけてね、さん。 全部で9回よ」 八幡「気をつけろよ。 9回だよ9回」 結衣「わかってるし!」 サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします 戸部「しゃ、終わった!」 静「うむ」 結衣「みんな終わったね? ……最後に、皆で一斉にこのヒトガタを引っ張って破っちゃうの」 葉山「え……」 雪乃「破るの?」 八幡(破るって……ヒトガタがバラバラ死体になっちゃうじゃん。 うち、あの子に教えたわけ。 部活のみんなとやったらって。 そしたらさ、実際にやったんだって!」 ?「でも、あの子全然元気そうじゃない?」 ?「だよね。 結局、噂は噂だったのかもねー」 ?「まあ、所詮ただのおまじないだし」 ?「むしろ前より仲良くなってる感出しててうざいっていうか~」 ?「あるある」 ?「そのおまじないってどうやるの? ちょっと興味あるかも」 ?「え、でもちょっと怖くない?」 ?「いいじゃん、別に大丈夫っぽいし。 なあ、……ひとつ聞いていいか」 結衣「うん、何?」 八幡「あのおまじない、ネットや雑誌で知ったのか? それとも誰かに教えてもらったのか?」 結衣「ああそれ、んから聞いたんだ。 凄く効果あるらしくて~」 八幡「……ほう。 つか、お前あれから相模と話とかしてたのな」 結衣「そりゃまあ、同じクラスで過ごしてるんだし。 まったく喋らないってのも、あれだもん」 結衣「最近は前のように割と普通に話すようになったよ。 それが?」 八幡「いや……。 よかったと思ってな」 結衣「何が?」 「ねぇ、結衣ー」 八幡「呼ばれてるぞ」 結衣「あ、うん。 じゃ、また後でね」 八幡(明らかにヤバそうなおまじないだと思ったから、俺は『サチコさん』にお願いをしなかった) 八幡(従って、俺を除く8人が9回サチコさんにお願いをしたわけだ。 よっておまじないは不成立) 八幡(俺・・ただあの場に立っていただけ・・! 圧倒的ぼっちっ・・!) 八幡(で、その結果がこのいつも通りの日常だ。 何ら変わったところはない) 八幡(まあ、俺が普通に9回願って成立したところで、何か悪いことが起きたとは限らない) 八幡(とはいえ、おまじないは『お呪い』。 その願いは祈りにもなれば呪いにもなる、本質的に危険な遊びなのだ) 八幡(相模といえば、いろいろあったことも含めて、に対してあまり良い感情は抱いていないはず。 いわんや俺をや) 八幡(もし、相模が悪意を持ってあのおまじないをに教えたのだとしたら。 じゃあ、またね」 八幡「ああ」 キーンコーンカーンコーン 八幡「予鈴か」 八幡(ん、今日は空席多いな。 遅刻か欠席か。 そういや、相模もいないな。

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結衣「……ゆきのん、あたしのこと、友達だと思ってなかったり……するのかな」【俺ガイルss/アニメss】

俺 ガイル ss 雪乃

ちなみにお前はハマったりしてないよな…?」 雪乃「え、えぇ…ちょっと強烈すぎて思考が追いつかなかったりするし」 八幡「良かった~…それより何考えてんだ由比ヶ浜…色ボケちゃったの?お兄ちゃん心配だよ…」 雪乃「あなたの妹じゃないでしょ、気持ち悪い…それにもしかしたらだけど…」 八幡「ん…?」 雪乃「彼女、あなたに抱かれたいのかなって。 集会場所が奉仕部なのはなんとも言えんが…」 雪乃「きっとまだ、あなたを諦められないんでしょうね」 八幡「やめろ…思ってても言うなんなもん…」 雪乃「私の人生を歪めるのは許したけど、他人の性癖までは許してないはずだけど?」 八幡「待て、俺のせいじゃない。 さっきはごめんなさい、変な事聞いたわね…」 八幡「海老名さんには俺から軽く取り調べしておく」 雪乃「そうね…お願いしようかしら…」 この日の勉強は過去一捗らず、さよならのキスはがっつり10分した。 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 10:44• 雪ノ下エンドは絶対に認めん! 14巻で由比ヶ浜とケーキ作ったり、ダンス踊ったりしたのに、雪ノ下を選ぶ愚行とても許せない!• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 12:08• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 18:47• NTRは脳が破壊されるってばっちゃが言ってた• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 19:39• 実際雪ノ下友情エンドが一番収まりよかっただろ• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 22:01• 可哀想なのはヨシ!• 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします• 2019年11月30日 23:22• 俺もキス大好きだから八幡相手なら2,3時間はイケるけど.

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俺ガイルおすすめSSまとめ【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。】

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八幡「幸せのサチコさん? 何じゃそりゃ」 結衣「えー、ヒッキー知らないの? 今流行りのおまじないなんだって」 八幡「おまじないとか胡散臭すぎる……俺がそんな流行知るわけねぇだろ」 結衣「ゆきのんは?」 雪乃「私も知らないわね。 そういうものにはあまり興味がないから」 結衣「じゃ、あたしが説明しよう!」 八幡「別にいい。 興味ねーし」 結衣「ヒッキーは黙ってて!」 結衣「このおまじないを一緒にするとね、『みんなでずっと友達でいられる』んだって」 八幡(うわあ……出たよ) 八幡(ズッ友とか言い合ってるやつらに限って卒業したら普通に疎遠になって気づいたらもう赤の他人同士になってるんだぜ) 結衣「ね。 何か素敵だよね」 雪乃「みんなでずっと……正直煩わしい言葉ね。 そういう言葉にすがるような人間同士の友情なんて薄っぺらいものだと思うわ」 八幡「だな。 つかそれ、サチコさんにお願いするわけ? 他人に頼んで維持してもらう人間関係とか欺瞞だな」 雪乃「第一、そのサチコさんとやらは何の見返りもなしに願いを叶えてくれるというの? 怪しいわね。 何か裏があるのではないかしら」 八幡「まず『幸せのサチコさん』とかわざわざ呼んでる時点で怪し過ぎる。 絶対サチコさん幸せじゃないだろ」 八幡(幸子という名前の幸薄い感じは異常。 幼いから自分のこと『さっちゃん』って呼んでるだけで頭がおかしい子扱いされるんだぜ……) 結衣「もーふたりとも勘ぐり過ぎだし!」 結衣「別にいいじゃん。 ただのおまじないなんだから、細かいことは置いといて」 結衣「……その、さ。 一緒にやらない?」 雪乃「……」 八幡(『一緒にやらない?』。 これは誰に対して向けられた言葉なのか) 八幡(まあ十中八九、雪ノ下に対してだろう。 経験上こういう場合、俺は近くにいても対象外なのだ。 男八幡、対象GUY) 雪乃「やらないわ」 結衣「えー!? どうして!? ゆきのん、一緒にやろうよー」 雪乃「どうしてそんなことをする必要があるの? おまじないなんて子供じみたまやかしでしかないわ」 結衣「……ゆきのん、あたしのこと、友達だと思ってなかったり……するのかな」 雪乃「そ、そういうわけでは……ないのだけれど」 結衣「あたしは、ゆきのんとずっと友達でいたいって思ってるよ」 雪乃「さん」 結衣「もちろん、それって簡単なことじゃないと思うし、いろいろ事情も変わるかもだけど……それでも今はそう思ってるの」 結衣「だからこれは、ちょっとした願掛けっていうか……んーと、とにかく、やりたいんだ」 結衣「だからさ。 やろうよ、ゆきのん。 幸せになるおまじない」 雪乃「……はぁー。 理屈を並べ立てても仕方がなさそうね。 分かったわ、これきり、一回だけなら」 結衣「やったー!」 八幡(ここにキマシタワーを建てよう。 つか、雪ノ下さん相変わらずに対して激甘過ぎませんかねぇ……) 八幡(まあでも、こいつらも多感な思春期の女子なのだ。 おまじないとかいかにも女子っぽい遊びでいいじゃないか) 結衣「じゃ、やり方説明するから。 ヒッキーもこっち来て」 八幡「え?」 雪乃「何を呆けた顔をしているの。 あなたの意思は確認するまでもないでしょう?」 八幡(え、なに? 俺も混ざっていいの? まじゃりんこしちゃっていいの?) 八幡「いや、ちょっと待てよ……。 これってそもそも前提条件として『友達』じゃなきゃいけないんじゃねぇの?」 八幡「俺って……その、お前らの……何よ?」 結衣「え? ヒッキーはあたしの……。 って!? え、何それ! ヒッキーなんて別にあれだし! ただのアレだし!」 雪乃「比企谷くんはただの人でしょう?」 八幡(TDNは人だった……? おっ、そうだな。 いや、まあ俺……人なんですけどね) 八幡「おい……もうちょっと言い方あるだろ。 その、同級生とか」 結衣「う、うん、まあそうだけど……。 あ、あと部活の仲間的な!」 雪乃「仲間……? 比企谷くんはむしろ冴えないヒールのような気がするのだけれど」 結衣「あ、確かに……」 八幡「ヒールなのに冴えない小悪党かよ……。 あー、まあ何でもいいけど。 とりあえず俺はおまじないとかマジ興味ねぇから別に……」 静「面白そうな話をしているな。 そろそろ私も交ぜろよ!」ガラッ 八幡(え、何、池田? 麻雀するの?) 結衣「あ、平塚先生」 雪乃「先生、入って来る時はノックをするようにといつも……」 小町「呼ばれて飛び出てこにゃにゃちわ~! 小町、参上!」 八幡(いや呼んでねーよ? てか何で小町いるの、いやマジで) 雪乃「小町さん?」 結衣「小町ちゃん、やっはろー」 小町「やっはろーです、結衣さん」 八幡「いやお前本当になんでいるの?」 小町「はい、これ。 お兄ちゃんにプレゼント」 八幡「何これ……って俺の雨がっぱじゃん」 小町「今日は夕過ぎから雨って予報だったのに、お兄ちゃん忘れてるから、小町が届けに来てあげたのです」 八幡「え、マジで……」 結衣「そういや、ずいぶん空暗くなってきたよね」 雪乃「そうね。 今にも降り出しそうだわ」 八幡「いや、お前……そのためだけにうちの学校に来たの?」 八幡「それお前の労力大き過ぎない? 少々の雨ならで頑張るよ俺、自転車だし」 小町「お兄ちゃんが濡れて風邪ひいたら大変だって思ってね。 あ、これ小町的にポイント高い」 八幡「ぐ、あざと可愛い……」 小町「まあ、実際風邪ひかれてうつされたら迷惑ですし」 結衣「だよねー、家族が風邪ひくと絶対うつされちゃうよね」 雪乃「でしょうね」 八幡「そのひとことはお兄ちゃん的にいらなかったなあ……」 静「ははは、まあそう気を落とすな比企谷」 雪乃「それで、先生のほうはどういうご用件で?」 静「ああ、私も天気のことでな。 これから夜にかけて荒れるそうだから今日は早めに帰るようにと生徒に促して回っているんだ」 八幡「ほーん。 じゃあさっさと帰ったほうがいいですね。 じゃ、俺帰るわ」 静「まあ、待ちたまえ。 君たち、おまじないがどうとか話をしていたな」 結衣「あ、はい。 幸せのサチコさんっていうおまじないなんですけど」 静「幸せのサチコさんか。 私もうら若き乙女だからな。 おまじないとか、そういう話にはときめきてしまうね」 八幡「アラサーがうら若き乙女とかいうの傍から見たらかなり痛いですよ」 雪乃「先生、キャラが違いますし無理はしないほうがいいかと」 静「君たち……そういう率直な発言はときに控えるべきだと学ぶ必要があるな」 小町「先生がアラサーなのは置いといてっ。 小町も占いとかおまじないとか超興味あるわけで!」 小町「廊下から聞こえた話だとー、みんながずっと友達でいられるとか?」 結衣「うん、そうなの! あ、じゃあ小町ちゃんも一緒にやらない?」 小町「結衣さん、雪乃さん、平塚先生と一緒に! 小町が入ればなし崩しでお兄ちゃんも引き入れられる!」ゴニョゴニョ 小町「お兄ちゃんとみなさんの縁結びを強化する願掛けのチャーンス! 乗るしかない、このに!」ゴニョゴニョ 八幡(なにごにょごにょ独りごちてるのこの子……まあだいたい魂胆は見え透いているが) 小町「やりますやります! みんなずっと友達でいられるおまじない!」 戸部「何それ、おまじない? ちょー面白そうじゃね?」 海老名「結衣ー、はろはろ~」 結衣「あ、姫菜。 優美子に隼人くんも」 葉山「やあ」 三浦「へー、ずっと友達……ねぇ」 八幡(え、何……何なの? 何でこいつら大挙してうちの部室に来てるの? 道場破りか何か?) 雪乃「あなたたち、何か用があるの?」 海老名「結衣、教室にカバン忘れていったでしょ。 もう下校時刻近いし、もってきたよ」 結衣「あ、そういえば……忘れてた! ありがとー」 三浦「ま、そんだけなんだけど」 葉山「俺達はちょうど部活帰りでさ、優美子たちに会って、まあ……成り行きでついてきたんだ」 戸部「そーいうわけでー。 あ、でさ、さっきのおまじないって?」 結衣「あ、うん。 それはねー」 八幡(おいおい、携帯忘れるのはともかくカバン置き忘れるとかどうよ。 まあ、それはともかくとして) 八幡(やけに乗り気だな、戸部。 なに、そんなにおまじないやりたいの? 乙女戸部なの?) 八幡(案外、海老名さんと今後もお近づきでいたいという気持ちの裏返しかもしれない) 八幡(二人きりでこういうのしたいとは言いづらいが、集団でやるなら率先してやりたがってもそんなに怪しまれないからな) 八幡(同様に、三浦は葉山に対する気持ちから乗り気なのかもしれん。 はっきりと口にしてはいないが、もう表情が興味津津だし) 八幡(つか、このおまじないの話、は葉山たちには話してなかったのか) 八幡(さっき携帯をいじっていたときに知ったから、まだ話す機会がなかったのか) 八幡(それとも、以前から知っていたけど、あえて彼らではなく俺達に対して提案したのか) 八幡(ま、深く考えるほどのことでもないか) 八幡(どっちにしろ、この流れ……たぶん全員で『幸せのサチコさん』とやらを実践することになりそうだ。 全部で9人か) 八幡(葉山たちとズッ友とか無いわー。 つか友達じゃねぇし。 もっと言えばそもそも友達など一人もいないまである) 八幡(ずっと友達……。 よし、この流れなら言える! 俺は戸塚とズッ友でいたい!!) 八幡(これは早急に戸塚を呼ぶべきだ。 否、呼ばなければならない!) 八幡「な、なあ……折角だし、戸塚も……(小声)」 結衣「白い紙ある?」 雪乃「ここにあるけれど」 葉山「ここにヒトガタを書けばいいんだな?」 三浦「大きさはどれくらいなわけ?」 小町「誰かハサミもっていますか?」 海老名「私持ってるよ。 ハサミと、ノリも。 ハサミが責めでノリが受け……ぐへへ」 三浦「ノリはいんないから。 つか海老名、ちょっと黙ってろし」 戸部「っべ、俺なんかワクワクしてったわ!」 静「おい比企谷、早くこっちに来い。 始まるぞ」 八幡(ぐ、だめか……戸塚なしい……) 雪乃「準備できたわね。 あまり気乗りはしないけれど」 三浦「なら雪ノ下さん外れたら? 別にあーしは問題ないけど?」 雪乃「気乗りはしないだけでやると決めたからにはやるわ。 後から乗っかってきたのに横柄な態度を取るのは控えてもらえるかしら」 三浦「な。 あーしは……!」 結衣「まあまあまあ抑えて優美子。 ね、ゆきのんも」 葉山「せっかくの機会だし、みんなで仲良くやろうじゃないか。 な、優美子」 三浦「……ま、まあ隼人がそういうなら別にいいけど」 八幡(ギスギスしすぎィ! なら別々にやればいいだろ……と言いたいところだが) 八幡(そうなるとがコウモリになってしまう。 乗りかけた船だ。 穏便に済ませてしまうしかない) 八幡「で、どうするんだ」 結衣「ああ、うん。 みんなでこのヒトガタを掴むの。 どこでもいいから」 戸部「どこでも? じゃあ俺は足にするべ。 サッカー部だし」 海老名「じゃ、わたしは頭で」 静「全員掴んだか?」 小町「おっけーでーす」 結衣「次に、全員心の中で『サチコさんお願いします』ってここにいる人数分唱えるの。 えっと、ひーふーみー」 八幡「全部で9人だ。 9回だな」 結衣「あっうんそう。 この時、唱える回数間違えたらおまじないが失敗するみたいだから皆気をつけてね」 雪乃「気をつけてね、さん。 全部で9回よ」 八幡「気をつけろよ。 9回だよ9回」 結衣「わかってるし!」 サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします サチコさんお願いします 戸部「しゃ、終わった!」 静「うむ」 結衣「みんな終わったね? ……最後に、皆で一斉にこのヒトガタを引っ張って破っちゃうの」 葉山「え……」 雪乃「破るの?」 八幡(破るって……ヒトガタがバラバラ死体になっちゃうじゃん。 うち、あの子に教えたわけ。 部活のみんなとやったらって。 そしたらさ、実際にやったんだって!」 ?「でも、あの子全然元気そうじゃない?」 ?「だよね。 結局、噂は噂だったのかもねー」 ?「まあ、所詮ただのおまじないだし」 ?「むしろ前より仲良くなってる感出しててうざいっていうか~」 ?「あるある」 ?「そのおまじないってどうやるの? ちょっと興味あるかも」 ?「え、でもちょっと怖くない?」 ?「いいじゃん、別に大丈夫っぽいし。 なあ、……ひとつ聞いていいか」 結衣「うん、何?」 八幡「あのおまじない、ネットや雑誌で知ったのか? それとも誰かに教えてもらったのか?」 結衣「ああそれ、んから聞いたんだ。 凄く効果あるらしくて~」 八幡「……ほう。 つか、お前あれから相模と話とかしてたのな」 結衣「そりゃまあ、同じクラスで過ごしてるんだし。 まったく喋らないってのも、あれだもん」 結衣「最近は前のように割と普通に話すようになったよ。 それが?」 八幡「いや……。 よかったと思ってな」 結衣「何が?」 「ねぇ、結衣ー」 八幡「呼ばれてるぞ」 結衣「あ、うん。 じゃ、また後でね」 八幡(明らかにヤバそうなおまじないだと思ったから、俺は『サチコさん』にお願いをしなかった) 八幡(従って、俺を除く8人が9回サチコさんにお願いをしたわけだ。 よっておまじないは不成立) 八幡(俺・・ただあの場に立っていただけ・・! 圧倒的ぼっちっ・・!) 八幡(で、その結果がこのいつも通りの日常だ。 何ら変わったところはない) 八幡(まあ、俺が普通に9回願って成立したところで、何か悪いことが起きたとは限らない) 八幡(とはいえ、おまじないは『お呪い』。 その願いは祈りにもなれば呪いにもなる、本質的に危険な遊びなのだ) 八幡(相模といえば、いろいろあったことも含めて、に対してあまり良い感情は抱いていないはず。 いわんや俺をや) 八幡(もし、相模が悪意を持ってあのおまじないをに教えたのだとしたら。 じゃあ、またね」 八幡「ああ」 キーンコーンカーンコーン 八幡「予鈴か」 八幡(ん、今日は空席多いな。 遅刻か欠席か。 そういや、相模もいないな。

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